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MAX機の代名詞的な存在「慶次」「牙狼」が向う未来とは? 低射幸性営業に対する思いを、現役パチンコ店店長が告白

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『花の慶次』や『牙狼』といったビックネームの新台が、続々とリリース予定のパチンコ業界。

 導入予定は『CR花の慶次X~雲のかなたに~』が11月中旬。『CRアナザー牙狼~炎の刻印~』が12月となるが、早くも雑誌などで特集が組まれている状況。やはり近年のパチンコ人気を牽引してきた、両シリーズに対するファンの期待は高いという事なのだろう。

 しかし今回の新台導入が持つ意味は、これまでとは全く異なる。

 もちろん両シリーズは、漫画やドラマといった分野で認識されていた作品という事実もあるが、そのうえで「出玉スピード・量」が期待できた「MAX機としての魅力」が伝わった事がヒットした大きな要因である点は間違いない。

 短時間で万発を超える出玉の獲得も珍しくはない。そういった「強烈な爆発力」を求めて遊技する人間が大半であったといえるだろう。

 ただ「射幸性の抑制」を目的とした規制が生まれた事で、これまでの『花の慶次』・『牙狼』シリーズが多くのファンを魅了してきた「強烈な爆発力を失う」事は必然……。

 果たしてMAX機の代名詞的な台たちが向う未来とは?

 その点を現役パチンコ店店長『Y氏』にうかがった。今回も取材した内容を、要約した形でご紹介させて頂きたい。

記者:MAX機の撤去はファンに大きな衝撃を与えたニュースでした。これまでMAX機を好んで遊技してきた方々は、今後どのような立ち回りになるとお考えですか?

Y氏:これまであった出玉の瞬発力が失われる事に対する影響は大きいでしょうね。人気機種であれば、それなりの稼働率は見込めると期待はしています。しかしMAX機ファンの中には、遊技されない方もいらっしゃるかもしれない。もしかしたら、スロットへ流れるという事もあると思っています。

記者:確かに「これまでのミドルタイプをMAXと呼ぶ事に抵抗がある」という意見があるのは事実です。MAX機を代表する人気機種のファンなどが「ミドルなら打ちたくない」と考えてもおかしくはないという事ですね。

Y氏:その可能性は否定できないですね。単純に出玉性能の問題は大きいと考えています。

記者:スロットの4号機が終焉した時に少し似ていますね。出玉率が抑えられた5号機となった際にも、スロット遊技者の減少は確実と囁かれていました。しかし結果として5号機は、多くの人間に認められました。今回は違いますかね?

Y氏:確かにこれまでも、メーカー側は知恵と努力を絞って規制内でヒット作を生み出してきました。その可能性も十分にあると思います。ただ、しばらくは厳しい状況が続くという考えも持っておかなければなりません。結局のところ、この答えを出すのはお客様ですからね。

 パチンコ・スロットの歴史は規制と共に創られてきた。メーカー側の知恵と努力なしでは「今の業界はない」といえるだろう。

 大きな反響を呼んだ5号機への移行も、各メーカーは4号機に近い出玉性能を実現すべく”規制の抜け道”を模索し続け、スロット遊技者の心を掴む事に成功した。今回もメーカー側の「サプライズ」に期待する声が挙がっている事は事実だ。

 確かに現時点でMAX機の撤去に特別な感情がある事は当然(『花の慶次』や『牙狼』のような人気機種であれば尚更)で、ファンの減少は避けられないのかもしれないが……。

「ミドルでも十分」といった意見が存在する事も事実。現在の主流が気軽に遊べる台(1パチや遊パチなど)となっている事からも、時間が経てば受け入れられる可能性はある。出玉の瞬発力を失うダメージは、思っているよりも「少ない」といえるのかもしれない。

 また「射幸性が高すぎる」という問題点が改善されれば、ギャンブルとは一線を画した「庶民の娯楽や息抜き」という本来の姿を取り戻す事や、今や社会問題となっている『パチンコ依存症』の減少に繋がる可能性もあるのではないか。

 いずれにしてもMAX機の撤去がパチンコ業界に与える影響は大きく、様々な意味での”きっかけ”を与えるものとなるだろう。
(文=高杉晋太郎)

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