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JRA 「岩田康誠からの卒業」を印象付けた古川吉洋の決定的な言葉とは。マイラーズC(G2)ケイデンスコール代打成功で「騎乗停止」の主戦は立場なし!?

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JRA 「岩田康誠からの卒業」を印象付けた古川吉洋の決定的な言葉とは。マイラーズC(G2)ケイデンスコール代打成功で「騎乗停止」の主戦は立場なし!?の画像1

 25日、阪神競馬場で行われたマイラーズC(G2)は、古川吉洋騎手の2番人気ケイデンスコール(牡5、栗東・安田隆行厩舎)が優勝。2歳時に制した新潟2歳S(G3)、1月に制した京都金杯(G3)に続いて重賞3勝目を挙げた。

「馬が強かったです。いいレースだけ見て、いいイメージで乗りました。乗せていただいたことに感謝しています」

 今回が初騎乗となったパートナーで一発回答の快勝に、古川吉騎手も満面の笑みで勝利騎手インタビューに答えた。

 高松宮記念(G1)では、長らくコンビを組んでいた相棒ライトオンキューを降板という不運もあった古川吉騎手。自身にとっても同馬で制した19年の京成杯(G3)以来の重賞勝利となった。

 直前でパンサラッサが除外になり、15頭立てで行われた芝1600mのレース。1枠1番の最内から先手を主張したベステンダンクにボンセルヴィーソ、カイザーミノルが続く。これを外から競り掛けたフォックスリークが一気にハナを奪い切り、ベステンダンクと2頭が並走する展開は前半3F33秒3の激流へ。

 最後の直線に入り、飛ばしていた2頭が粘り込みを図るが、残り200mから様相は一変。中団の8番手を追走していたケイデンスコールが外から一気に強襲してゴール前で抜け出すと、2着アルジャンナに1馬身1/4の差をつけて追撃を退けた。

 2年前のNHKマイルC(G1)ではグランアレグリアに先着し、14番人気の低評価を覆してアドマイヤマーズの2着に入ったケイデンスコール。世代トップクラスの能力を見せながらも以降は長らく低迷が続く。

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 そんな悩める素質馬に久々の勝利をプレゼントしたのが、昨年のオーロC(L)からコンビを結成した岩田康誠騎手だった。

 コンビ2戦目となった今年の京都金杯を12番人気ながら快勝。前走の中山記念(G2)でも2着に入って復調気配を見せていた。

 岩田騎手の上手さが光ったレースぶりに、名コンビ誕生の予感もあったが、土曜6Rの返し馬の際に、岩田康騎手が藤懸貴志騎手へ粗暴な行為を行ったとして、25日から5月8日まで14日間の騎乗停止処分を受けるアクシデント。急遽、新コンビ結成となったのが古川吉騎手だった。

 それだけに一部では岩田康騎手からの乗り替わりを不安視する声も出ていたが、ハイペースに戸惑うことなく冷静な手綱捌きを見せた古川吉騎手もさすがだった。レース後に『馬が強かった』と振り返ったように、ケイデンスコールの鞍上が岩田康騎手でなくても勝てることを証明した。

 見据える先は勿論、春のマイル王決定戦・安田記念(G1)だろう。思わぬ形で出会った強力なパートナーとのコンビで、古川吉騎手はアインブライドで制した1997年阪神3歳牝馬S(G1・阪神JFの前身)以来のG1勝利を手に入れることができるだろうか。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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