JRA【函館SS(G3)展望】“壮絶”ハナ差カレンモエVSコントラチェック再戦の行方は!? サマースプリントシリーズ開幕!
13日には、サマースプリントシリーズの開幕を飾る函館SS(G3)が行われる。東京五輪への対応で今年は12年ぶりに札幌競馬場での開催。注目は、3月のオーシャンS(G3)で壮絶な争いを演じた5歳牝馬の2頭だろう。
父がロードカナロア、母がカレンチャンという良血カレンモエ(牝5歳、栗東・安田隆行厩舎)。昨年9月にオープン入りして以降、京阪杯(G3)とオーシャンS(G3)で、どちらも1番人気を裏切り2着に敗れている。
前走でハナ差の惜敗を喫した後は、高松宮記念(G1)には向かわず、目標をここに。秋の大一番、スプリンターズS(G1)を見据えて、確実に賞金を加算したいところ。落とせない一戦となるだろう。
札幌は初となるが、3歳夏に函館の1勝クラスを勝利しており、洋芝適性は証明済み。1週前には栗東坂路で追い切られ、52秒3をマーク。充実度は目を見張るものがある。
鞍上は過去4度手綱を取って「2-1-1-0」と好相性の鮫島克駿騎手。今年は、自己最多を大きく上回るペースで勝利を挙げており、騎手リーディング10位以内も見えている。絶好調騎手がカレンモエを重賞初制覇に導けるか。
オーシャンSでそのカレンモエをハナ差で破ったのがコントラチェック(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)だ。もともと19年のオークス(G1)では3番人気に支持された逸材で、逃げたときの粘り強さには定評があった。
前走はスプリント路線に転向後3戦目。2戦連続で2桁着順に敗れていたこともあり、11番人気という低評価だった。しかし、道中はカレンモエと馬体を併せる形で2番手を追走すると、直線は2頭の叩き合い。坂下では一瞬突き放されたが、坂を上り切ったところでグイッとひと伸び。最後はハナ差前に出たところがゴールだった。
懸念は、前走でカレンモエと同じ54kgだった斤量が今回は1kg重くなる点。これまで斤量54kgでは「5-1-1-1」という好成績を残しているが、55kg以上だと「0-0-0-7」と全て馬券圏外に沈んでいる。コントラチェックにとって、この1kg増は軽視できないかもしれない。
鞍上は前走に続き丸山元気騎手が務めるが、重賞4勝目を挙げるには斤量を克服する必要があるだろう。
5歳牝馬2頭に続くのがミッキーブリランテ(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。今年に入ってニューイヤーS(L)1着、阪急杯(G3)2着と不振を脱出。高松宮記念で好走を誓ったが、大外枠から出遅れも響いて、10着に敗れた。
リベンジを期して臨んだ前走の京王杯SC(G2)は5番人気で4着に敗れたが、勝ったラウダシオンとは僅か0秒2差。安田記念(G1)には向かわず、初の洋芝で再びスプリント戦に挑戦する。
唯一のスプリント戦でもある高松宮記念では10着に敗れたが、直線はジリジリ脚を伸ばしており、距離自体は問題ないだろう。ただし、ディープブリランテ産駒は洋芝を大の苦手としている点は気に留めておく必要があるだろう。
ジャスティン(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)は、ダート重賞3勝の実力馬。今年は、サウジアラビアからドバイへと転戦し、経験を積んだ。約2年ぶりとなる芝の一戦でそれを生かせるか。
3月のフィリーズレビュー(G2)を制したシゲルピンクルビー(牝3歳、栗東・渡辺薫彦厩舎)。桜花賞(G1)16着から、初の1200m戦で巻き返しを図る。
この他には、スプリント重賞2勝の実績を誇るビアンフェ(セン4歳、栗東・中竹和也厩舎)、重賞2勝のカツジ(牡6歳、栗東・池添兼雄厩舎)などがスタンバイする。
函館SSは過去に4度、札幌で開催(第1~3回の名称は札幌SS)され、牝馬が3勝している。今回も牝馬が強さを見せるのか。それとも牡馬が力でねじ伏せるのか。発走は13日15時25分を予定している。
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