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パチンコ「2400発」を最大「5回」獲得!? 「確変状態」の判別に“知識”が要求される異色マシン!!

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 何かを生み出すことにおいて、縛りが少なければ少ないほど出来上がりに良い影響を与えることがある一方で、理不尽にも思える規制や障害を突破しようと従来にはない革新に辿り着いたりすることもある。

 長年のパチンコファンなら、後者の例を身近に実感できたであろう。1996年、パチンコの行き過ぎた射幸性に歯止めをかけるべく行われた確変の連チャンを最大で5回までに制限した、いわゆる5回リミッター規制である。

 この5回リミッターの時期は暗黒の時代と揶揄されるが、『CRルパン三世』(初代)、『CRフィーバーピストル大名』、『CR華観月』など、牙を抜かれたCRデジパチでも絶大な人気を獲得した名機が多く登場したのである。

 そんななかでも豊丸からリリースされた『CRデラマイッタ』は異質な輝きを放ち、多くのファンに大きな衝撃を与えた機種ではないだろうか。盤面中央にでかでかと掲げられた7セグの存在感が只者ではないことをプレイヤーに知らしめる。いまのパチンコ機には感じられない独特の雰囲気をまとった機種である。

 その内側に装備された小7セグが通常時の基本的な演出を担い、ここぞのスーパーリーチで大7セグが活躍するのだ。そのダイナミックな挙動は当時の液晶画面では表現できない迫力と、ある種の躍動感をデジタルアクションにもたらした。

 この7セグに表示される数字には赤と緑があり、色にかかわらず「0」から「9」の数字が3つ揃いすれば大当りとなるが、数字と色の組み合わせによって確変大当りが決まるように設計されていた。

 この組み合わせを理解していないと、大当り後に状態を報知する仕組みがないので、現在が確変なのか通常なのかわからなくなるという特徴もあった。しかも、右打ち機能はもちろん、電チューも搭載していなかったので、状態を把握していないと立ち回り、ひいては勝敗に大きく左右する。

 確変突入率は『J-3』なら40%、『F-4』なら25%と低かったが、大当りの多くで16ラウンド2400発出玉を獲得できるので、連チャンが刺さったときの出玉感にはなかなかの威力があった。

 このように、全体的には「素人お断り」の看板を出しているような滋味深い機種で、大なり小なり打ち手を選ぶたぐいのクセの強いマシンといえよう。ただ、他にはないこの味わいが意外にもファンから支持され、局地的な人気を博すこととなった。そして、豊丸のイメージを決定づけた機種といえるかもしれない。

『CRデラマイッタ』が登場した1998年は和歌山毒物カレー事件、完全失業率過去最悪、日本長期信用銀行・日本債券信用銀行が破綻など暗いニュースも多い年だったが、『デラマイッタ』の巨大7セグが日本とパチンコ業界の現状を明るく照らしてくれたのである。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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