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パチスロ「驚異の多段階設定で自在に荒波を演出」~3号機名機伝説『トライアンフ』後編~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.61】

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 もうかれこれ30年も昔の話だが。スロ歴の長い方は、こんな噂を耳にしたことはないだろうか。

「タイヨーの右レバーの台は、熱くてヤケドする」

 まぁ、人の噂というのは背びれ尾ひれが付いて大げさになりがちだが、確かに「ミラクルユーフォー」や「リスキーダック」といった当時のタイヨーのマシンは、熱かった。

 LED照明など夢のまた夢だった当時、パチスロ台のパネル各部の照明は文字通り熱を発することで光を放つ白熱豆球だった。それは、どのメーカーのマシンでも同じこと。

 ところが、タイヨーのマシンはなぜか他社より電球のパワーが強いのか、それともパネルの熱伝導力にすぐれていたのか、何気なくパネルに手が触れると「アツっ!!」となることがしばしばだった。

 さて、そんな旧態依然とした右レバー筺体を脱ぎ捨て、業界初・オールボタン式操作部を備えた新筺体で鮮烈なデビューを果たした同社の3-2号機『トライアンフ』。このマシンもまた、別の意味でヤケドするほどにアツかった。

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…そう。デビュー早々からノーマルでは起こりえない、非常に激しい挙動を示したのである。

 不調期は単発ボーナスを重ねながらもひたすら吸い込み、一転して好調期に入ればビッグばかりが怒濤の勢いで連チャンし、一撃数千枚の出玉を吐き出す──。

 そんな、明暗くっきりなゲーム性に、当初から貯金方式の採用が疑われた。

 いったい、どんな手を尽くしたのだろう。いまとなっては不明だが、当時のパチスロ必勝ガイド編集部は早々に実機(あるいは裏ROM)を入手し、裏プログラムの解析に着手。すると、驚愕の事実が明らかになったのである。

 想像どおり、裏プログラムのベースとなっているのは、貯金方式だった。しかし、「ワイルドキャッツ」や「セブンボンバー」の頃のように単純なものではなく、手法としては「アポロン」や「デートライン銀河Ⅱ」をミックスして、さらに多機能にしたものだったのである。

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