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JRAスワンS(G2)岩田康誠「謎」のジェットスキーで大敗……「いい位置を取って競馬ができれば」調教師の声も届かず終始ケンカ三昧

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 30日、阪神競馬場で行われたスワンS(G2)は、1番人気のダノンファンタジーが貫録の勝利。この春はやや苦しんだ印象だったが、主戦の川田将雅騎手に戻って嬉しい重賞6勝目を挙げた。

 1番人気から6番人気までが掲示板(5着以内)を独占した、力通りのレース。そんな中で唯一、大きく人気を裏切ってしまったのが、岩田康誠騎手の4番人気クリノガウディー(牡5歳、栗東・藤沢則雄厩舎)だ。

「前走はゲートの出がもう一つで後手に回った。いい位置を取って競馬ができればーー」

 そんな藤沢則調教師の願いは、岩田康騎手の元まで届いていたのだろうか。師の言葉通り、ここ最近のクリノガウディーは好位からの競馬で鞍馬S(OP)と安土城S(L)を連勝。セントウルS(G2)でも差のない3着と、今回人気するのも当然の存在だった。

 しかし、前走のスプリンターズS(G1)ではスタートでやや後手を踏んで中団7番手からの競馬。伸びきれずに8着に敗れていたからこそ、完全燃焼を願っての言葉だったに違いない。

 そんな師の願いも空しく、この日も発馬でやや後手を踏んでしまったクリノガウディーだが、岩田康騎手が即座に促してポジションを取りに行く。一時は勝ったダノンファンタジーと並走ところまでポジションを上げた。

 だが、勝負所に差し掛かったところで突然、鞍上が手綱を引き始めた。

 3コーナーを回る頃には完全に尻を上げ、まるでジェットスキーのような姿勢になってしまった岩田康騎手。1400mの短距離戦で致命的なロスを犯してしまったクリノガウディーは、後方12番手で最後の直線を迎えたものの、進路を見つけることができないまま15着に大敗した。

「うーん、どうしてしまったんでしょうか。スタートで後手を踏んだものの、決して巻き返せない状況ではなかったように見えます。おそらく遅れを取り戻そうと促したところ、クリノガウディーが掛かってしまい、抑えるのに必死だったように見えましたが……。短距離戦であそこまで馬とケンカしてしまったら、さすがに厳しいと言わざるを得ないですね。

最後は最内を走っていたように、岩田康騎手が得意とするイン突きが狙える位置まで下がりたかったのかもしれませんが、ちょっとわからないですね。それにしても今日はチグハグなレースでした」(競馬記者)

 この岩田康騎手の騎乗には、レースを見守ったネット上の競馬ファンもSNSや掲示板で「何だったんだ?」「ずっと馬とケンカしてたけど……」「これは酷い騎乗」と疑問の声が続々……。中には「今日ずっとよかったのに、これで台無し」という落胆の声もあった。

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 この日は岩田康騎手にとって、ハッピーな1日になるはずだった。

 それは2勝、2着2回、3着2回という自身の好成績に起因するが、その中で息子の岩田望来騎手との親子ワンツーが3度もあった。騎手デビューからずっと見守ってきた息子の成長ぶりを父として存分に堪能した1日には違いなかったが、肝心のメインレースで思わぬ“落とし穴”が待っていた。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

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