パチンコ店での「心温まるエピソード」…助け合いの精神が生んだ思わぬ収穫!?

　パチンコ店で遭遇する迷惑客や、イラっとしてしまう行為。そういった闇の部分に触れたコラムを以前書かせていただきました。

　足を組んで隣の台の領域に入り込み、挙句の果てに私や店員さんに怒り散らかす人物。パチスロのドル箱をシェイクして耳を塞ぎたくなるレベルの雑音を鳴らし、さらには勢い余ってメダルをあちこちに飛び散らせてしまう方など。常識から大きく外れた行動をする方々は本当に迷惑極まりないですね。

　このように、ホールでは思い出すだけで腹が立つような場面に遭遇することも少なくありません。この手の話は気分が良いものではないですが…。

　ホールで起こり得るのは、このような不快感を抱く出来事だけではありません。それとは逆に、こちらが笑顔になるような心温まるエピソードを体験することもあるのです。

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　パチンコ・パチスロは、基本的に己のヒキや判断力との戦い。他のお客さんはライバルともいえます。中には台を取り合う敵として認識している方もいるでしょう。まさにヒリついた勝負の世界といった印象ですが、時に助け合いの精神が働くこともあります。

　代表的な例を挙げるならば、パチスロの「目押し」でしょうか。『ジャグラー』コーナーなどで、7を揃えられない年配客から目押しを頼まれる光景は、皆さんも目にしたことがあるでしょう。

　ちょっと前までは店員さんを呼べば代わりに揃えてくれていましたが、今の風営法ではそれができません。押すタイミングをジェスチャーする程度しかできないので、周りにいる他のお客さんに頼むケースが多くなったように感じますね。

　こういった背景も踏まえ、私は頼まれたら快く目押しを引き受けます。おバケだった際は反応に困ってしまいますが、ビッグだった際は満面の笑みで「ありがとう」と言ってもらえるのです。非常に小さなことですが、誰かに感謝されるというのは悪い気はしません。

　目押しのお礼にジュースをご馳走してくれるというケースもよくあるお話。見返りを求めているわけではないのでお断りするのですが、「いいから受け取って」と言われてつい厚意に甘えてしまう。そんなこともありましたね。

　このように気軽に受け取れるものであればいいのですが、中にはもっと大層なものをプレゼントしようとしてくる方もいらっしゃいます。

　私が最も驚いたのは「美味しい焼肉屋に連れて行ってあげる」と食事に誘われたケース。3～4回ほど目押しを手伝った際に言われたのですが、その方の出玉は焼肉を食べたら赤字になる程度でした。

　美味しい焼肉屋…聞いた瞬間は「ラッキー！」という感情が芽生えます。

　しかし同時に、「目押ししただけなのに焼肉を奢ってもらうわけにはいかないでしょ」という天使の声も聞こえてくる…確かにそうです。友人ならまだしも、初対面の方。これはさすがに、受けるわけにはいかないでしょう。

　お断りすると、非常に残念そうな表情を浮かべておられました。「悪いことしちゃったかな」とも思いましたが、そのお気持ちだけもらって場を立ち去ったのでした。

　ただ、この一件は後に思わぬ収穫をもたらすこととなります。これを機に、この年配の方とはホールで話しかけあう間柄にまで発展。そこから徐々に常連客の輪が広がっていき、気づけば10名以上と親しくなるというネットワークが出来上がっていたのでした。

　負けた時の愚痴や、勝った際の喜びを共感できる仲間がいるというのはいいものです。「ホールでのこういう繋がりも悪くないな」と感じたお話でした。

（文=HIRA.777）

<著者プロフィール>

　飲食店やホテルマン、営業など幅広い職種にチャレンジ。どれも長続きせずにいたが、趣味であったパチンコ関連業界へ就職し現在に至る。今では自身の体験談や、業界関係者から入手した情報などを元に記事を作成中。パチスロ4号機にハマっていたいわゆる「北斗世代」で、長きに亘り活躍するシリーズの動向に注目している。主に検定通過情報や、動画レビュー記事を担当。動画は大量出玉を実現した内容を好んで紹介している。