JRA福永祐一もM.デムーロも気が気じゃない? 「4連勝」グロリアムンディVS「3連勝」バーデンヴァイラー! 皐月賞(G1)同日に超新星が「G1・5勝」オメガパフュームに挑む!
17日に阪神競馬場で行われるアンタレスS(G3)は、はっきり言って地味なレースである。
昨年はコロナ禍2年目の影響もあって、売上は前年比116.9%と奮闘したが、約29億円は4月に行われた重賞レースで最低。翌週に行われたローカル重賞・福島牝馬S(G3)にさえ後れを取っている。毎年「いつの間にか終わってる」と感じている競馬ファンも少なくないはずだ。
そんなアンタレスSであるが、昨年はテーオーケインズが勝利し、勢いそのまま最優秀ダートホースにまで上り詰めた。そういった経緯があってか、今年は史上稀に見る好メンバーとなりそうだ。
実績No.1はオメガパフューム(牡7歳、栗東・安田翔伍厩舎)だ。
昨年末の東京大賞典(G1)で史上初の4連覇を飾ったオメガパフューム。2019年の帝王賞(G1)を加え、堂々のG1・5勝馬である。昨年は5月の平安S(G3)から始動したが、今年は同レースからシーズンの幕開けとなるようだ。
ちなみにここ3年間、アンタレスSに出走したG1馬はゼロ。これだけを見ても、同レースにとっては“大事”である。無論、目標は先だろうが要注目の存在と言えるだろう。
例年であれば、このダートの強豪の始動を見守るレースになりそうだが、今年はそうはいかないかもしれない。最近、ダート界の「超新星」と評されている2頭が、ここで初のダート重賞挑戦を迎えるからだ。
まずはグロリアムンディ(牡4歳、栗東・大久保龍志厩舎)だ。
2歳秋に京都2歳S(G3)4着などクラシックを目指していたグロリアムンディだが、厚い壁に跳ね返される形で昨年12月にダートへ転向した。すると水を得た魚のように、いきなり4馬身差で圧勝して一気に4連勝。前走の名古屋城S(OP)でオープンクラスの壁もあっさり突破し、ここへ駒を進めてきた。
名古屋城Sを勝ってアンタレスSへ出走するのは、昨年のテーオーケインズと同じ。ここで5連勝を飾るようなら、いよいよダート界の頂点が見えてくる。
そんなダート界の新星に勝るとも劣らない勢いスケールを持っているのが、3連勝中のバーデンヴァイラー(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)だ。
こちらも2歳秋に芝でデビューしたが、3着だったことでダートへ矛先を替えた。すると未勝利戦を6馬身差で圧勝。脚部不安で出世が遅れたが、復帰戦となった昨夏の1勝クラスを9馬身差で圧勝している。その後、芝再挑戦などもあって連敗したが、ダートに戻って3連勝と再び上昇気流に乗った。
キャリアはまだ8戦と若いが、良馬場のダートなら5戦5勝。初のオープン出走となった前走の総武S(OP)も2馬身半差であっさり突破しており、こちらも底知れないスケールを感じさせる。
本来であれば、この2頭の激突は両馬の主戦を務める福永祐一騎手の頭を悩ませていたはずだ。しかし、一昨年の三冠ジョッキーは、今年のアンタレスSには騎乗しない。
何故なら、アンタレスSは皐月賞(G1)と同日に行われる、いわゆる裏重賞だからだ。これが“地味”と称される最大の理由である。多くの競馬ファンは、3歳牡馬クラシックの第1弾の予想に忙しく、約10分前に発走するこのダート重賞に興味がないのだ。ちなみに昨年の皐月賞の売上は約191億円である。
しかし、例年以上の好メンバーが揃った今年のアンタレスSは、今年のダート戦線を占う極めて重要な一戦といえるだろう。他にも、今年1月の東海S(G2)で2着など、例年なら1番人気になってもおかしくない重賞2勝馬オーヴェルニュが参戦を予定しているなど、多くの競馬ファンから熱い視線を送られるはずだ。
ちなみに主戦のM.デムーロ騎手が皐月賞のジャスティンパレスに、福永騎手がジオグリフに騎乗するため、オメガパフュームは横山和生騎手、バーデンヴァイラーは幸英明騎手が想定されている。G1の裏重賞だけに、代役確保も陣営の手腕が問われるところだろう。
いずれにせよ、競馬ファンにとっては忙しい週末になりそうである。大混戦と言われている皐月賞を含め、今からレースが楽しみだ。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。
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