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武豊、横山和生、戸崎圭太でもダメ……「最後の未勝利」クリアならず、億超えホースの悲しい現実

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 夏競馬の最終週となった先週は、札幌2歳S(G3)や小倉2歳S(G3)、新潟記念(G3)などの重賞が開催。3場それぞれの競馬場で大きな盛り上がりを見せた。

 重賞も然ることながら、もう一つ大きな注目を集めたのは「3歳未勝利」だろう。何故なら、先週をもって現3歳世代の未勝利戦は終了となったからである。

 別名「最後の未勝利戦」ともよばれ、毎年恒例とはいえその戦いは死闘そのもの。なかには連闘に次ぐ連闘で臨む馬もいたように、目の前の1勝を求めて激しい争いが繰り広げられた。

 敗れた馬には「引退」「地方移籍」「格上挑戦」など厳しい条件が待っている。土日で計17レース行われた「最後の未勝利戦」を勝利した陣営にとっては、その1勝は普段より格別なものであったに違いない。

 しかし、17頭が期限ギリギリで勝ち上がった一方、実に252頭にも及ぶ馬が敗れたのもまた事実。所有するオーナーをはじめ、育て上げた関係者や応援するファンにとっては、悲しい現実だろう。

億超えホースの悲しい現実

 中には、セレクトセールで億超えとなった高額馬も存在した。4日の新潟3Rに出走したキングスウェイ(牡3、美浦・国枝栄厩舎)である。

 同馬は父にキングカメハメハ、母にスピナウェイS(米G1)勝ち馬のソーメニーウェイズを持つ良血。兄のサトノエターナル(取引額1億2420万円)やダノングロワール(取引額2億1600万円)、姉のジェニーアムレット(取引額1億152万円)に続き、2019年のセレクトセールにて1億8360万円という高値で取引された億超え家族の一員だ。

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戸崎圭太騎手

 これまで過去4戦して、デビュー戦を含め武豊騎手が3度、横山和生騎手が1度騎乗したものの3着が最高。前走から中2週となった「最後の未勝利戦」の鞍上には、初コンビとなる戸崎圭太騎手が起用された。

 キングスウェイを所有する江馬由将オーナーにとっては、戸崎騎手に懸ける特別な想いがあったかもしれない。というのも、先月21日に同じく億超えホースで未勝利だった所有馬のフォーグッドを、10戦目にして初勝利に導いたのが戸崎騎手だったからだ。

 フォーグッドもまたホープフルS(G2・当時)を勝ったハートレーを兄に持つ良血であり、これまで2着3回、3着3回と惜しい場面が続いていた。そんな自身の高額馬を危機的状況からエスコートした救世主に、もう一度頼りたくなるのも無理はない。

 しかし、結果的に戸崎騎手をもってしても、初勝利へと結び付けることは出来なかった。

 2番枠の好枠を生かして道中は中団内目を追走するも、向正面から鞍上がしきりに促していたように反応が悪い。最後の直線でも豪快な末脚を発揮することなく、キャリア初の二桁着順となる10着に沈み涙を呑んだ。

 とはいえ、中央で1勝も挙げられなかったとしても、全てが終了となるわけではない。地方へ移籍後に勝利を重ね、再び中央に戻って活躍するケースも少なからずある。

 昨年のカペラS(G3)や海外の重賞制覇も成し遂げたダンシングプリンスや、地方で5連勝したのち中央でも3連勝を決め、先月行なわれたエルムS(G3)で1番人気に支持されたブラッティーキッドは成功例といえよう。

 キングスウェイの今後は定かではないが、地方で競走馬を続けるのであれば、成績によっては再度中央で走る姿をみられる可能性は十分ある。果たして良血の億超えホースは、どのような道を歩むのだろうか。

ハイキック熊田

ハイキック熊田

ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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