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福島記念「決意の渡仏」から挑む一戦、成長著しい相棒と主戦に最大のチャンス

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 13日、福島競馬場では、芝2000mのハンデ重賞・福島記念(G3)が行われる。福島名物ともいえるこのレースには毎年、馬齢を問わず様々な路線で活躍してきたメンバーが集結。今年も重賞勝ち馬と格上挑戦馬が入り乱れる一戦となりそうだ。

 前年のこのレースで3着に入ったアラタ(牡5歳、美浦・和田勇介厩舎)もまた、有力馬の1頭として名前が挙がる。

 1年前は、パンサラッサが後続に影も踏ませぬ逃げ切り勝ち。前半600mを33秒6で進め、1000mの通過57秒3という超ハイペースになったものの、直線に入ってもバテて止まることはなく、2着に4馬身差をつける完勝で見る者の度肝を抜いた。

 その後のパンサラッサの活躍はご存知の通り。距離に不安もあった有馬記念(G1)では13着に敗れたが、年明け初戦の中山記念(G2)で鮮やかな逃げ切り勝ちを決めると、続くドバイターフ(G1)も1着同着ではあったが優勝。海外で初のG1タイトルを手にした。

 先月の天皇賞・秋(G1)でも前半1000mを57秒4で飛ばす大逃げを打ち、豪華メンバーの中で2着に食い込む奮闘。最後はイクイノックスに差し切られたものの、大きな感動を呼んだ逃走劇は記憶に新しい。

 対するアラタは、1年前にパンサラッサから0秒7差遅れた3着だったが、福島記念以来の再戦となった札幌記念(G2)では、その差を0秒3まで縮めている。もちろん、コースや相手関係も異なるため単純な比較はできないものの、遥か前方にあったパンサラッサの背中が近づいたことは事実だ。

 同じことがジャックドールとの比較でも言え、金鯱賞(G2)でつけられた0秒9差が、札幌記念では0秒3に縮まった。天皇賞・秋で上位に食い込んだ相手に迫っていることを考えれば、札幌記念の4着も胸を張れる結果といえるだろう。

 一方、今回は昨年3着の条件で相手関係もG2の前走と比べれば楽になる。それだけに今年の福島記念は、アラタにとって真価を問われるレースとなる。

 そこで頼もしい存在となるのが、コンビを再結成する大野拓弥騎手だ。

 アラタにとってもデビュー戦から今年3月の金鯱賞まで、13戦連続でコンビを組んでいた主戦騎手。キャリアで挙げた5勝はすべて大野騎手とのコンビで掴んだものであり、心強い味方となる。

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大野拓弥騎手

 その大野騎手は今年の6月5日に東京での騎乗を終えた後、フランスへ遠征。デビュー18年目、36歳にして初めて海外での武者修行を敢行した。

『netkeiba.com』掲載の藤岡佑介騎手との対談企画によると、「体調面の不安」が大きなポイントで、ここ数年は酷暑の影響で夏場に体調を崩すことが多く、その後もコンディション調整が難しくなっていたことを吐露。そこで気候的な部分も考慮して、フランスでの滞在が決まったのだという。

 単純に夏休みをとるという考えもあったというが、異国の地で馬に乗るという決断を下したところに、まだまだ成長したいという強い思いが見て取れる。

 実際、2018年に自己最多の75勝をマークして以降、それを上回ることができず、昨年も53勝でフィニッシュ。上述の対談でも「まだまだ上手くなりたい」と語っているように、このままでは終われないという思いが大野騎手を突き動かしたのだろう。

 9月3日から日本での騎乗を再開し、ここまで4勝をマークしたが、重賞では4戦で馬券圏内なしと存在感を発揮することができていない。

 とはいえ、もともと人気馬への騎乗が少なく、今年は重賞に22回騎乗して1~3番人気への騎乗はゼロ。その点、アラタとともに挑む今回の福島記念は最大のチャンスと言えるはずだ。

 人馬ともにこの夏の間の成長を見せつけ、昨年叶わなかった先頭でのゴールインを果たすことができるか。これまでとはひと味違う?アラタと大野拓弥騎手のコンビに注目だ。

木場七也

木場七也

29歳・右投右打。

本業は野球関係ながら土日は9時から17時までグリーンチャンネル固定の競馬狂。

ヘニーヒューズ産駒で天下を獲ることを夢見て一口馬主にも挑戦中。

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