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適当に座った台でまさかの10時間出っ放し… スマスロ・スマパチ導入で思い出す「自己最高出玉」【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第15話:ビッグウェンズデイ】

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第15話:ビッグウェンズデイ

 去る11月21日(月)より、スマスロの第一弾『L革命機ヴァルヴレイヴ』『Lバキ 強くなりたければ喰らえ!!!』『Lリノヘブン』の3機種の設置がスタートしました。12月5日(月)にはスマスロ第二弾となる『L HEY!エリートサラリーマン鏡』もデビューして、スマスロのラインナップも随分と充実してきたように思います。

 ところで、スマスロおよび、来年の春頃には登場するんじゃないか…と言われているスマパチには、著しい出玉の発生を抑制する目的で「コンプリート機能」と呼ばれる新しいシステムが搭載されます。いや、正確に言うなら6.5号機や最近のP機にはすでに搭載されているため、全くの新機能…というわけじゃないんですけどね。問題は、コンプリート機能(いわゆる打ち止め機能)の発動条件が、パチスロはMY(最も沈んだ状態から出玉の最高値まで)で1万9千枚、パチンコの場合は同じくMYで9万5千個と設計されている点です。つまり、いずれの機種も等価で38万円分の出玉を獲得した時点で「打ち止め」となって、その日はもう当該機で遊技することができなくなるんですな。

 私はこれまで40年以上パチスロを打ってますが、出玉で1万9千枚を超えたことは過去に一度しかありません。もっとも、私は万枚製造機と呼ばれたGOD系が苦手なため、それらの機種をほとんど打っていないのが万枚記録が少ない主な原因なんですけど、それでもスマスロのデビュー前までは「そんな簡単にコンプリート機能が発動するほどの大量出玉を獲得できるはずがない。射倖心を抑制するという建前で搭載された機能でしょ」くらいに思ってました。ええ、愚かにもそう信じてたんですよ。

 ところが、蓋を開けてみれば導入初日からコンプリート機能の発動報告が相次ぎます。私はその日、パチスロ必勝ガイドの誌面企画で、アニかつさんと一緒に上野のスロゲーセンで獣王を打ってたんですけど(アニかつさんはアラジンA)、昼過ぎには「某ホールのヴヴヴが1万5千枚を超えた」なんていう情報がSNSでアップされ、その日の夜までに何件ものコンプリート機能の発動が確認されました。てゆーか、そんな簡単に2万枚近くも出ていいものなの?

 まぁ、事前情報で「ヴヴヴは設定6の万枚突破率が25%」と言われてましたから、設置店が頑張って設定6を大量に投入した結果とも考えられますが、これらの書き込みを目にした私が最初に考えたのは、「あんまり無茶すると、またお上に怒られるぞ!」というものでした。行き過ぎたギャンブル性の高騰を抑制する目的で6号機の規定が作られたのに、今さら4号機時代にも匹敵するほど荒波の機種を作ってどうするんだよ!

 いやはや、このぶんだとスマパチでも導入初日から9万5千個の出玉を叩き出す機種が出てくるんじゃないのかなぁ…と思いを巡らせている内に、「あれ? 私の最高出玉って何個くらいだったっけ…」という疑問にぶつかりました。そんなわけで、今回はパチンコで自己最高記録を叩き出したエピソードをお届けします。

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 時は平成4年の12月13日。当時、私は大分県の某建設資材商社に籍を置く、落ちこぼれ営業マンでした。もともと人付き合いが下手くそな上に喋るのも苦手、押しもまるで強くない…と、全く営業マンに向いてない私の唯一の楽しみが、休日に思う存分パチンコ&パチスロを打って、仕事上のストレスを発散させることでした。もちろん、平日の仕事帰りに打つこともありましたが、夜7時から適当な空き台でパチンコを打っても勝つのは難しい。それで、いつしか平日には主にパチスロを(パチスロは立ち回り次第で勝てますからね)、休日は朝からパチンコというのが、当時の私のプレイスタイルになったんですよ。

 この頃、通っていたのは大分市の竹町通り商店街にあった某店。私は主にこの店でブラボーキングダム(平和)やスーパーアレパチ(太陽電子)を打っていたのだけど、年末の商いの方がしばらく忙しくて、約半月ぶりに打ちに来たところ、見たこともない新台が導入されていました。

 先客が先を争ってその機種のシマに走るのを見て、私もなんとなく後について行って適当な台を確保しました。盤面には大きく『BIG WEDNESDAY』と書かれてます。

 ビッグウェンズデイ? もちろん、大ヒットした映画とは何の関係もないのでしょうが、その機種名から巨大な波に乗る出玉のイメージを思い描いた私は、とりあえず台間サンドから5百円分の玉を借りて打ち始めました。ちなみに、当時はまだノズルからそのまま上皿に玉が出てくるような便利な玉貸し機はありませんでした。5百円玉を投入したら筒状の払い出し口に125個の玉がストックされ、下から小箱で受け止めて上皿に玉を移すセルフサービス的な仕様だったんです。

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『ビッグウェンズデイ』(豊丸産業)(写真は「パチンコ歴史事典/ガイドワークス刊」より)


 打ち始めると、何となくゲームの流れがわかってきました。普通にブッコミを狙って打ち、左右オトシ上のスルーチャッカーを玉がくぐると上部の電チューが一瞬開放(三角釘から自力で入賞するケースもあり)。役物内に入った玉は回転体の振り分けを受け、始動口に入ると2桁デジタルが回転。しかる後にデジタルが「33」または「77」で揃えば大当りとなり、役物下の電チューとオトシ電チューの連動で出玉を稼ぐんです。すでに大当りしているヒキが強い人の様子を見ると、1回の大当りで獲得した出玉は500個くらい。なんか少ねぇなぁ…。

 その台は大当り後も特に変わった挙動はなく、なんだよ、ただの高確率&低出玉の一般電役じゃん。貴重な休日に朝からこんな台に走って失敗した。そう思ったんですけどね。

 投資2500円で私にも「77」の大当りが発生しました。すでに先客の打ち方を見て、大当りの消化手順は心得ているので、戸惑うことなく打ちっぱで連動を消化。せっかくだからこの出玉が飲まれるまでは打つけど、もしも飲まれたらスーパーアレパチに移動しようか。そんなことを考えながら打っていたら、次に役物に入った玉が始動口に入賞し、これがまたしても「77」。ラッキー、連チャンした!

ふとシマの上を見ると、妙な張り紙が目に入った

 この時は本当にその程度の軽い気持ちだったんですが、自分の認識が間違いだったことに気づくのに時間は要しませんでした。なんとそこから大連チャン。始動口入賞までのプロセスは大変ですが、入れば2分の1以上の確率で「77」または「33」が揃います。1回あたりの出玉が少ないため、速度的にはジワリジワリといった感じなのだけど、確実にドル箱の中身が増えていくから凄い。このお店のドル箱は4千個入る大きなサイズであり、一箱が満タンになったので足元におろして箱を替えました。当時は玉の上げ下げは全てセルフサービス。店員さんを呼んでドル箱を替えて貰えるようになったのは随分と後になってからの話です。

 その際に、ふとシマの上を見ると、妙な張り紙が目に入りました。

《大当り発生後は20分以上打ち出しを止めないでください》

 コレってなんのこっちゃ?

 よくわからないけど、今の自分の台は明らかに普通の状態じゃない。だとしたら、この機種の連チャンには「時間」が関係しているのかも…?

 そんな風に察したんですが、内部システムがわからないからとにかく怖い。20分以上打ち出しを止めるなということは、とにかく打ちっぱにしとけば問題ないはず。だけど、それ以外にも何か連チャン継続の条件があるのだとしたら、下手に休憩もできないのよね。

 そんなことを思っている間も連チャンは続き、午後3時くらいにはドル箱が足元に10個。そのインパクトの凄さに背中には人だかりができ、一時は10人ものギャラリーがヘバりついてました。ドル箱を重ねて優越感に浸るのは嫌いじゃないけど、この頃になるとまた違った問題に直面します。そう、人間ならば絶対に避けられない生理現象ですね。

 例の張り紙を見てからはドリンク類を一切口にしなかったけれど、それでも時間が経てばトイレに行きたくなるのは当然のこと。しかし、どんな我慢にも限界があるわけで、トイレ直行・膀胱破裂・オモラシ…の三択から自分が選んだのはトイレでした。仮にこれで連チャンが終わったとしても、人としての尊厳を守るためだから仕方がないよねぇ。

 とりあえず大当りを消化してからダッシュでトイレに向かい、はち切れんばかりに膨らんだ膀胱の中身を一挙に放出。それから洗面所で手を洗って脱兎のごとく台に戻りました。

 この間、実際の所要時間はおそらく3分くらい。しかし、心の中では凄い勢いで時計の秒針が進んでいたわけですよ。なので、席に戻って次の大当りが発生した時には、ほっとして嬉しくて本当に小躍りしそうになりました。まぁ、踊らないけどね。

30年経った今も破れない私の個人レコード

 もはや閉店まで終わらないだろう。そんな錯覚すら感じた大連チャンでしたが、午後8時45分、ついに前回の大当りから20分以上が経過して大当りせず。頭上の大当りカウンターに「234」の数字を残し(つまり234連チャン)、約10時間を費やした連チャンは終了しました。まぁそれはそれで仕方がない。祭りはいつか終わるものだからね。足元と背中に積んだ計20個のドル箱を流すと(これも普段はセルフサービスなのだけど、この時だけはさすがに店員さんがドル箱を運んで流すのを手伝ってくれました)、ジェットカウンターから打ち出された出玉はなんと7万8655個。これが30年経った今も破れない私の個人レコードです。

 それにしても、なんて激しい台だろう。当時はインターネットもないし、頼みのパチンコ雑誌は発売日までのタイムラグがあって情報が遅い。さらにはガセネタを堂々と掲載するトンデモ雑誌まであって、情報の取捨選択は完全にプレイヤーに委ねられていたのだけど、それからしばらくしてようやく「パチンコ必勝ガイド」にビッグウェンズデイの解析記事が掲載されました。

■初当り確率:1/53
■連チャン状態大当り確率:5/9
■時間制限付き連チャン機能搭載

 ざっくり言うとこんな感じ。連チャン状態への突入条件は「連動の最後のオトシ電チュー開放時に7個以上入賞させること」でした。下手に止め打ちなどせず、大当りを打ちっぱなしで消化すれば高い頻度で条件を満たすことができ、以後は19分35秒が経過するまで連チャン状態を維持。途中で大当りを引いて再び条件をクリアすれば制限時間がリセットされる…という、過去に例を見ない非常に斬新な連チャンシステムだったんです。

 なるほど…と納得しました。あの日、最初に大当りを引いた客は「最後の電チューに7個以上入賞」の条件を満たせなかったから連チャンしなかったんだね。例の張り紙にしても、おそらく店側はメーカーに問い合わせて得られた回答をそのまま表記したのだろうけど、よくもこんな恐ろしい連チャンシステムを考案したものだと思う。これじゃあ、夕方からなんて絶対に打てないし(連チャン状態に突入したら取りきれない可能性大)、電チューの寄りを殺されたら肝心の連チャン条件を満たせなくなってしまうやん!

 それからしばらくして、このお店は天の三角釘を完全に潰し(自力の役物入賞をなくした)、左右のスルーを完膚なきまで叩きました。さすがにオトシ電チューの寄りは生かしてましたが、デジタルの回転率が下がったことにより19分35秒で5/9を引けない客が続出。当然の流れとしてビッグウェンズデイのシマから客が飛ぶことになり、翌春には全てハズされてしまいました。

 これぞ当時のパチンコの「光と影」。今はインチキ連チャン機なんて存在しないから、後になって肝を冷やす目に遭うことはないと思いますが、これだけ無茶な出方をしても現在の「コンプリート機能」の到達条件に届かなかったこともまた事実です。果たして、来年の春には登場すると言われているスマパチはどうなるんでしょうねぇ…。

ドラゴン広石

ドラゴン広石

ドラゴン広石(昭和38年12月生まれ)
平成7年に白夜書房「パチンコ必勝ガイド」編集部の門を叩き、パチスロの知識と経験、目押し力を買われて「パチスロ必勝ガイド」のライターに採用された。リアルタイムで「パチスロ0号機」を遊技した経験を持つ、唯一のパチスロライターである。令和4年現在でライター歴は27年。代表作に「枠上人生」、「浮草家計簿」(連載中)、「回胴絶景」(連載中)など。1日の最大勝ち額~プラス41万3千円(クラブロデオT)、1日の最大負け額~マイナス12万9千円(初代・北斗の拳)。

Twitter:@dragon_hiroishi

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