ギャンブル依存症問題「LINE」で対策サービス提供も不安の声…… パチンコ「イベント規制」逃れる「SNS告知」がもたらす悪影響とは

 現在、日本で深刻化しているギャンブル依存症問題。2017年9月の厚生労働省の発表によれば、依存症の疑いがある日本人は20~74歳の全人口に当てはめると、約320万人の規模だという。また、フランスやオランダなど諸外国と比べると、日本の約1/3以下とのこと。日本の深刻さが際立つ結果となってしまった。

 そんな日本で依存症問題が取り沙汰されているなか、依存症の「防止」と「回復」両面の支援を提供する新たなサービスが発表された。

 それが、情報サービス事業最大手NTTデータが開発、SNSアプリ「LINE」を活用した「ギャンブル依存症診断」ツールである。

 主に、依存症に関する正しい知識の理解を促す同サービス。ギャンブル依存に関する危険度をチェックする設問、依存症に関する基本情報や専門機関や民間の回復施設の情報提供、1日1通の啓発メッセージなど、それぞれ「LINE」を用いて配信される予定。また、今後は対策に取り組む30の自治体や企業・団体などへの導入を目指す方針とのことだ。

 日本人に馴染み深く、使い勝手の良い「LINE」を用いた取り組みということもあり、普及が進めば絶大な効果が見込まれるはずだ。依存症問題を解決する新たな一手として大きな注目が集められている。

 ただその一方で、「LINE」の利便性の高さが、ある問題を引き起こしている。それが、現在パチンコホールで横行している、SNSを用いた「情報サービス」にあるようだ。

「現在、パチンコ店で蔓延しているのがSNSを使った間接的な”イベント告知”です。代表的な例を挙げると、LINEの投票機能を用いた人気機種アンケート。例えば、ジャグラーシリーズであれば、アイムジャグラー、マイジャグラー、ファンキージャグラーを候補に、アンケートが開始されます。

一見すると、好きな機種を決めるだけのように思えますが……ホール側はこのアンケートを元に、高設定機種を選定している傾向にあります。熟練したユーザーであれば、すぐに『イベント機種』であると察しが付くんですよ。実際、そのホールへ行くと、そのアンケートで1位に選ばれた機種は大変盛り上がっていますからね。

その他SNSで関連したものでいえば、ブログでも『イベント示唆』を行っているところもあるようです。間接的に高設定機種を示唆する文面、そして店員がある機種をイメージしたコスプレで接客を行うことで、ユーザーに『その機種に力を入れていますよ』とアピールするホールもあるとか。ホールの懸命な努力は分かりますが……」(記者)

 2011年からパチンコホールでは「高設定機種の示唆」「イベント特定日」など出玉に関する広告宣伝規制が実施された。新台導入の告知以外では、大体的な宣伝が困難な状況にある。

 そうした規制を掻い潜る1つの手段として「LINE」での出玉告知が蔓延している訳だが……便利なサービスである反面、ギャンブル依存を促す影響力も大きいのではないだろうか。
(文=編集部)

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