
【エリザベス女王杯(G1)展望】デアリングタクトVSスタニングローズ!海外から愛オークス馬も参戦

13日、阪神競馬場では秋の女王決定戦、エリザベス女王杯(G1)が行われる。3歳から6歳まで世代を超えた牝馬23頭がエントリーした今年は「デアリングタクトVS 3歳世代」という構図となりそうだ。
主役を務めるのは、もちろんデアリングタクト(牝5歳、栗東・杉山晴紀厩舎)。2020年の三冠牝馬が、2年前の秋華賞(G1)以来の勝利を目指す。
アーモンドアイ、コントレイルとの三冠馬対決に沸いた2年前のジャパンC(G1)で3着して以降、4歳春に2連敗を喫すると故障で戦線離脱。今春に1年ぶりの実戦復帰を果たしたが「勝利」の二文字が遠い。
復帰後はヴィクトリアマイル(G1)6着、宝塚記念(G1)3着と順調に復調をアピールしていた。ところが秋初戦のオールカマー(G2)で1番人気を裏切ってまさかの6着。ただし、上位を占めたのはいずれも道中インを走っていた馬で、終始外々を立ち回ったデアリングタクトとは位置取りの差が大きく出る結果となった。
それでも同じように外を回ったテーオーロイヤルには1馬身半差をつけられており、やや不安を残しての秋2戦目となる。
秋2戦目はジャパンC(G1)との両睨みだったが、陣営は牝馬限定戦を選択。短期放牧でリフレッシュを図り、先月20日に帰厩すると順調に追い切りを重ねている。
陣営は春2戦目の宝塚記念で状態が上がったことを引き合いに今回も休み明けを一度使った上積みを口にしている。来年の現役続行も視野に入っているデアリングタクトだが、三冠牝馬として欲しいのは2年ぶりの勝利だけだ。
先月の秋華賞でワンツーを決めた同厩2頭がデアリングタクトを追う。
活力を取り戻しつつある“バラ一族”に久々のG1タイトルをもたらしたスタニングローズ(牝3歳、栗東・高野友和厩舎)。前走・秋華賞は3番人気にとどまったが、立ち回りのうまさも生かして見事に戴冠した。
レースでは4枠7番から好スタートを切ると、道中は好位の5番手を追走。直線でロスがあった2、3着馬に比べてスムーズな競馬で早めに抜け出し、そのまま押し切った。
秋華賞馬がその年のエリザベス女王杯に出走するのは、スタニングローズが16頭目。過去15頭の成績は「3-2-1-9」とまずまずだ。だが、14年のショウナンパンドラ以降は「0-0-0-4」と、苦戦が目立っている。
特にこの馬は前哨戦の紫苑S(G3)にも出走しており、これが秋3戦目。さらに12月に行われる香港ヴァーズ(G1)の招待も受諾(出否未定)したため、状態面には気を配りたいところだ。

一方、僚馬ナミュール(牝3歳、栗東・高野友和厩舎)は、これが秋2戦目。2歳時から牝馬の王道路線を歩み、阪神JF(G1)と桜花賞(G1)では1番人気に推された。しかし、G1では結局未勝利のまま牝馬三冠レースを終えている。
ナミュールが最も戴冠に近かったのは前走の秋華賞。オークス(G1)以来の実戦で、馬体重は過去最高の446kgとひと夏越した成長の跡を見せた。道中はちょうど中団を追走し、勝負所で外々を回って直線を向くと、先に抜け出したスタニングローズを急追。しかし半馬身及ばずの2着に終わった。
ただし、内をすくった二冠牝馬のスターズオンアースにはハナ差先着して意地を見せている。
レース後、鞍上の横山武史騎手は「少し左に逃げるところがあって、コーナーを回る時に遠心力もプラスして左に行ってしまいました」とコメント。今回も同じ阪神の内回りコースだが、この課題を解消できれば、G1初制覇が近づく。
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