福永祐一「トリプル斜行」に巻き込まれ重賞30連敗…。7度目1番人気も痛恨不利
5日、阪神競馬場で行われたファンタジーS(G3)は、10番人気の伏兵リバーラ(牝2歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)が鮮やかな逃げ切り。今年の牝馬クラシックで二冠に輝いたスターズオンアースを手掛ける高柳瑞厩舎から、今年も有力牝馬が登場している。
前走は好位から抜け出したリバーラだったが、この日はスタートを決めた石橋脩騎手が積極的にハナへ。幸い、強引に競り掛けてくる馬がおらず、すんなり先手を取ることができた。
レース後、大穴で重賞制覇を飾ったジョッキーが「そういう作戦もありかなと思っていた」と振り返った通り、大胆な作戦が見事にハマった。最後の直線では外から上位人気馬が迫ってきたが、終わってみれば2着馬に1馬身1/4差をつける完勝だった。
2018年のダノンファンタジー、19年のレシステンシアがここを勝って2歳女王に輝いている通り、やはり次走は阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)が濃厚だ。スプリンターのキンシャサノキセキの産駒だけに1ハロンの延長が課題だが、石橋騎手も「(距離は)こなしてほしい」と力が入っている。
その一方で、まさかの10着に終わったのが、1番人気のアロマデローサ(牝2歳、栗東・池添学厩舎)だ。
ちょうど1週間前に紫苑S(G3)を快勝したスタニングローズに呼応するような前走ききょうS(OP)の勝利は、まさに「バラ一族」の再興を印象付けるような完勝劇だった。勝ち時計の1:20.4はJRAの2歳レコードを更新。2戦2勝で迎えたこの日の重賞初挑戦は当然、来年のクラシックを見据えていたものだったはずだ。
「トリプル斜行」に巻き込まれ…
しかし、迎えた最後の直線では他馬に挟まれる痛恨のアクシデント……。福永騎手が追う手を止めざるを得ないほどの大きな不利を受け、最後は流すようにゴールした。「コンディションも良さそうでしたし、道中もリズムよく走れて『これなら』と思っていたのですが」と振り返っている通り、消化不良の一戦となってしまった。
「ちょっと後味の悪いレースになってしまいましたね。最後の直線でサラサハウプリティが進路を求めて急激に外へ舵を切ったことで、アロマデローサの隣を走っていたコスモフーレイが反応。外側にいたブトンドールと挟まれるような格好になってしまいました。
3頭はその後ももみくちゃになりながらゴールしていますが、アロマデローサはそのアクシデントに巻き込まれる形で戦意喪失……。残念なレースになってしまいました」(競馬記者)
記者が話す通り、レース後にはJRAからサラサハウプリティの菱田裕二騎手、コスモフーレイの和田竜二騎手、ブトンドールの鮫島克駿騎手の3人が「最後の直線コースで斜行した」として戒告や過怠金の処分に。
そういった経緯もあってかレース後、ネット上の掲示板やSNSなどでは、やはりアロマデローサが受けた不利が話題に。1番人気が飛んだこともあって「納得がいかない」という声も散見された。
また、今回は気の毒なレースになってしまったアロマデローサだが、次走で改めて期待できるかというと「そうでもないかも」という意外な答えが返ってきた。
「不利を受けたアロマデローサですが、実はレース後に福永騎手が『(不利が)なくても、(上位に)来ていたかと言われると』と言葉を濁すシーンがありました。『勝負所でモタモタしていた』『今日は道中の進みも悪かった』と最後まで辛口でしたね。期待の裏返しかもしれませんが、次走で巻き返し必至かというと……」(別の記者)
アロマデローサは奇しくも、勝ったリバーラと同じキンシャサノキセキ産駒。こちらも次走は阪神JFになる可能性がありそうだが、距離延長以外の課題が浮上してしまったのかもしれない。
また、福永騎手はこれでJRAの重賞は30連敗。4月の皐月賞の勝利を最後に長いトンネルが続いており、7度目の1番人気を逃す格好になってしまった。この秋も南部杯(G1)勝利など交流重賞では大活躍だが、肝心の中央で結果が欲しい。
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