岩田康誠「キレ散らかし」返答にインタビュアーもタジタジ…名手が信じたドウデュース世代の実力馬が有馬記念前に答え合わせ

先週の記事でも採り上げたデシエルト(牡5、栗東・安田翔伍厩舎)だが、期待通りに中日新聞杯(G3)で2着ロードデルレイに2馬身差をつけて完勝。前走のアンドロメダS(L)と同じく素質馬を返り討ちにし、再浮上のきっかけをつかんだ。
レース後のコメントで「馬場を考慮して、自分の形でレースをしました」まあまあのペースで行っているのはわかっていましたが、それでも勝ってくれました」と振り返った岩田康誠騎手だが、内心はパートナーの勝利を信じて疑っていなかったかもしれない。
ドウデュース世代の実力馬が有馬記念前に答え合わせ
5歳牡馬の本馬は世界最強まで上り詰めたイクイノックスや暮れの有馬記念(G1)で秋古馬三冠の偉業に挑むドウデュースらと同世代。3歳春にはクラシック候補の一角に名を連ねた期待馬だ。残念ながら3歳クラシックでは結果が出ず、ダートへと転戦して好走していたこともあり、ダービーの後は7戦連続でダート路線を歩んでいた。
しかし、現実は周りが期待するほど甘くはない。
新天地で天下取りを目指したものの、転向初戦のグリーンチャンネルC(L)こそギルデッドミラーやタガノビューティーといった強豪相手にレコード勝ちを決めたが、勝利を手にすることなく惜敗止まりが続いた。2年前に快勝したグリーンチャンネルCでさえ、今年は直線でズルズルと後退して6着に完敗。いい頃を知っていたファンからすれば、「もう終わってしまった」かのように映っただろう。
だが、再び芝へ矛先を変えたアンドロメダSで眠っていた闘志に火がついた。8番人気まで評価を下げていた実力馬は目を覚まし、重賞級のライバルを尻目に3馬身半差をつけて楽々と逃げ切ってしまったのである。
これが偶然の復活か否かを確認するのが中日新聞杯だったが、こちらも期待に違わず再度の逃げ切り勝ち。元々が2019年のセレクトセール当歳部門で2億7000万円の高値で取引された期待馬。血統的にも名馬ドゥラメンテの近親だけに、まだまだ活躍してもらいたい馬だ。
そして今回の連勝を目撃して岩田康騎手の「キレ散らかし」勝利騎手インタビューも思い浮かんだ。これはデビューから3戦無敗で若葉S(L)を圧勝したときのことだ。
「権利を取りました」と話したインタビュアーに対し、岩田康騎手は「いやいや権利じゃないんです」「勝つために来てるんで……」「わかります?」と強めの語気で返答。さらに「ダートとか使いましたけど、芝向きって感じていましたし」「ここで負けてるようじゃ皐月賞(G1)も勝てませんし」と続け、これにはインタビュアーもタジタジ。好発を決めての逃げ切り勝ちについても「この馬のペースなんで」「好スタートといってもこの馬のペースを守って行っていただけです」と言い放っていたのだった。
こうして振り返ると当初からダートより芝向きと考えていたことも伝わる。当時は一部のファンから「放送事故」という言葉も出たが、2年半ぶりの答え合わせのようにも映った初重賞勝利ではなかったか。
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