「未来のダート王候補」デシエルト復帰は秋!? イクイノックス、ジャスティンパレスら次々快挙…七夕賞(G3)制覇セイウンハーデスは16番目
9日、福島競馬場で行われた七夕賞(G3)は、2番人気のセイウンハーデス(牡4歳、栗東・橋口慎介厩舎)が勝利。
この日、6Rの新馬戦をニシノオウジョが勝利して「七夕に気持ちを入れて、久しぶりに福島のウイナーズサークル」と喜びの声をブログに綴っていた西山茂行オーナーにとっては、見事その願いが届く結果となった。
3歳春にはトライアルのプリンシパルS(L)を勝利して、日本ダービー(G1)にも駒を進めたセイウンハーデス。これが重賞初制覇となったが、元JRA騎手の安藤勝己氏が「地力が一枚上」(公式Twitter)と評価している通り、今回は実力馬による順当な勝利と言えるだろう。
本日2度目のウイナーズサークルに登場となった西山オーナーを始め、関係者にとっても待望の重賞初制覇だったが、実は今回の勝利はまた「別の意味」でも“待望”だった。
■2022年 第89回日本ダービー(G1)結果
1着ドウデュース(日本ダービー)
2着イクイノックス(有馬記念)
3着アスクビクターモア(菊花賞)
4着ダノンベルーガ(共同通信杯)
5着プラダリア(青葉賞)
6着キラーアビリティ(ホープフルS)
7着ジオグリフ(皐月賞)
8着オニャンコポン(京成杯)
9着ジャスティンパレス(天皇賞・春)
10着ビーアストニッシド(スプリングS)
11着セイウンハーデス(七夕賞)
12着アスクワイルドモア(京都新聞杯)
13着マテンロウレオ(きさらぎ賞)
14着ロードレゼル
15着デシエルト
16着ジャスティンロック(京都2歳S)
17着マテンロウオリオン(シンザン記念)
18着ピースオブエイト(毎日杯)
※()は主な重賞勝ち鞍
上記は昨年の日本ダービーの結果だが、この日セイウンハーデスが七夕賞を勝利したことで、出走18頭中16頭が重賞ホースとなった。古くからクラシックが種牡馬や繁殖牝馬の価値を高めるための選定競走と位置づけられている以上、その頂点となる日本ダービーに駒を進めた馬たちが出世することは、競馬界全体にとって非常に意義深いと言えるだろう。
「ここまでくると14着のロードレゼル、15着のデシエルトの重賞制覇も期待したいところですが、現在は2頭とも故障のために長期休養中と復帰が待たれる状況です。
特にファンの期待が高いのはデシエルトですね。芝でも皐月賞トライアルの若葉S(L)を勝つ実力馬ですが、ダートでは早くから重賞級と言われる存在でした。中でもダービー後の復帰戦となった昨年10月のグリーンチャンネルC(L)の内容が秀逸。古馬を相手に着差こそ3/4馬身の接戦を制した格好ですが、勝ち時計1:33.5はコースレコードでした。
舞台となった東京のダート1600mは、フェブラリーS(G1)も行われているだけにレコードの価値は高い。それを裏付けるように2着ギルデッドミラーがその後に武蔵野S(G3)を勝利。そこから3馬身半差だった3着タガノビューティーは今年のかしわ記念(G1)で2着と上位陣が結果を残しています」(競馬記者)
そういった背景もあって、重賞制覇も時間の問題と思われたデシエルトだが、グリーンチャンネルC後に左前脚の骨折が判明。長期の戦線離脱を強いられることとなった。
「(6歳馬の)メイショウハリオが連覇を飾った先月の帝王賞(G1)では、世代交代が期待された4歳馬のクラウンプライド、ノットゥルノが“年長者”の壁に跳ね返される結果となりました。
それだけにレース後には、一部のファンから『デシエルトが無事なら……』『未来のダート王はこの馬』という声もありました。まだ重賞も勝っていない馬ですが、それくらい大きな期待をかけられている存在。当時の報道では『全治6~9カ月』ということで順調ならこの秋には復帰できそうですが、将来的にはダート界を担う存在になってほしい1頭です」(同)
また、重賞制覇が待たれるもう1頭のロードレゼルもダービー後に屈腱炎で長期休養を強いられていたが、記者曰く「牧場で乗り運動を再開している」という。
すでに青葉賞(G2)2着の実績がある本馬も慎重な調整を強いられるが、順調に行けば秋に競馬場でその姿を見られるかもしれない。
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