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武豊命名「5爺」に激震走るナンバー3の卒業…有馬記念でメジロマックイーンを撃破、迫られる「欠員補充」の最有力候補とは

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武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 競馬界のレジェンドと呼ばれる武豊騎手。オグリキャップやメジロマックイーンら数多の名馬とのコンビで名を馳せた若き天才も年を重ね、今やデビュー37年目を迎える54歳の大ベテランとなった。ジャックドールで勝利した今年の大阪杯(G1)では、JRAジョッキーとして最年長G1勝利記録を更新し、前人未到となる80勝目のメモリアルVも飾っている。

 本人も年齢が話題になる度に「年がバレるのが、照れくさい」と話すが、「その記録を今度は自分で更新していけるように頑張りたいですね」と意気込みを見せたように、トップクラスの腕前は変わらず健在である。

 そんなレジェンドと同じく最年長記録に関わっているのが、大ベテランの4人の仲間たちだ。年齢順に柴田善臣(57歳)、小牧太(56歳)、熊沢重文(55歳)、横山典弘(55歳)が武豊騎手を含めた、いわゆる「5G=5爺」のメンバーである。

 彼らが「5G」と呼ばれているのは、『テレビ東京』の競馬番組内での対談で、武豊騎手が同期にあたる蛯名正義元騎手(現調教師)に対し、「僕ら5Gと呼ばれているんです」と冗談交じりに打ち明けたことがきっかけとなった。

 JRA現役騎手としても年齢が上から5番目までが揃い、まだまだ活躍が期待される「5爺」。だが今回、メンバーのひとりが卒業する格好で“激震”が走った。

 そのメンバーとは年齢順にナンバー3の熊沢騎手のことだ。JRAが30日に発表した内容によると、本人から騎手免許の取消申請があり、11月11日付で取り消すこととなったらしい。

 同騎手は平地と障害の二刀流で活躍し、JRA歴代1位の障害通算257勝をマークしている名手。ダイユウサクに騎乗した1991年の有馬記念(G1)では、武豊騎手の大本命メジロマックイーンを撃破したことでも知られている。15頭立てのレースで14番人気の馬が単勝万馬券を演出するという歴史に残る大波乱でもあった。

 また、平地だけでなく障害でも2012年の中山大障害(J・G1)をマーベラスカイザーとのコンビで制し、史上初となる平地と障害の両G1制覇の偉業を達成している。武豊騎手が初G1勝利に導いたことで知られるステイゴールドも、熊沢騎手が主戦を任されていた馬。同馬は種牡馬入りした後に三冠馬オルフェーヴルをはじめ、ゴールドシップやオジュウチョウサンなど、数多くの名馬たちを世に送り出した。

 ひとつ懸念されるのは熊沢騎手の引退により、残念ながらメンバーに欠員が出てしまうことである。元々が武豊騎手の半分冗談で誕生した「5爺」だが、高速・大容量の通信を実現する第5世代移動通信システム「5G」とかけて命名された以上、5人のメンバー構成は欠かせないところだろう。

迫られる「欠員補充」の最有力候補とは

 そこで今回、本記事で独自に“補充メンバー”を提案してみたい。

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内田博幸騎手 撮影:Ruriko.I

 メンバー最年少である武豊騎手の54歳に次ぐベテラン騎手だが、真っ先に目についたのは53歳の内田博幸騎手だ。過去に全国リーディングにも輝いた剛腕だけに妥当な人選だと思うが、いかがだろうか。

 同学年なら52歳の田中勝春騎手も該当するのだが、こちらは調教師への転身が噂されている人物でもあり、合格するようなら新メンバーとして期待するには、入ってすぐに抜けるかもしれないリスクを伴う。

 また、名付け親が武豊騎手という点では、海外に目を向けてみるのも面白いかもしれない。

 ほぼ願望に過ぎないことを承知しつつ、L.デットーリ騎手はどうだろう。年齢も52歳で色々と都合がいい(笑)。年内で引退を表明していた世界的名手が引退を撤回して、来季からアメリカを拠点にして現役続行を発表。同騎手と武豊騎手はお互いをリスペクトしあう昵懇の仲だけに、武豊騎手も大歓迎だった様子である。

 自身の公式ホームページでも「個人的には、きっとやめるのをやめるだろうなという予感がありました」と触れており、「彼と同じレースで戦うという楽しみがまだ続きます。来シーズンはアメリカ拠点だそうで、その活躍も楽しみです」と戦場で顔を合わせる未来に思いを馳せていた。

 さすがにデットーリ騎手の加入は現実的ではないが、はたして新たな5人目の加入はあるのだろうか……。「5爺」の今後にも注目だ。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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