ヤマニンゼファー、ウオッカに続く「連覇達成」に非業の死…今春話題を集めた「名牝系」からまたも大物候補が出現
タスティエーラが優勝した日本ダービー(G1)から、早いもので1ヶ月以上が経った。69年ぶりのテン乗り制覇となったことでも話題を集めた今年のダービーだが、一方で悲しい出来事もあった。スキルヴィングの訃報である。
現役最強イクイノックスと同じキタサンブラック産駒の同馬は、未勝利戦から青葉賞(G2)まで3連勝。無事であれば間違いなくこの先の競馬界を賑わせていただろう1頭を失ってしまったことで、多くのファンが悲しみに暮れることとなった。
ただ、その翌週に開催された安田記念(G1)では、ソングラインがヤマニンゼファー、ウオッカに続く史上3頭目の連覇。まるで若くして散った同族を弔うかのような激走だった。
スキルヴィングとソングラインには共通点がある。両馬とも母方の3代母にソニンクの血を持っているのだ。
「ソニンクは未出走のまま現役引退し、ノーザンファームで繁殖生活をスタートさせた英国馬。2012年に亡くなるまでに10頭の産駒を残しており、その中からランフォルセとノーザンリバーが重賞ウイナーに輝いています。
また孫のロジユニヴァースが、2009年の日本ダービーを優勝。子孫には他にも国内外でG1・2勝を挙げたディアドラ、今年のきさらぎ賞(G3)を勝ったフリームファクシ、スキルヴィングにソングラインがいるなど、ソニンクの血は今なお競馬界を賑わし続けています」(競馬誌ライター)
今春話題を集めた「名牝系」からまたも大物候補が出現
そして8日、そんな名牝の一族からまた1頭、勝ち名乗りをあげた。それが福島6Rの2歳新馬戦(芝1200m)を勝利したラストクリスマス(牝2歳、栗東・西園正都厩舎)だ。
同馬は先週もビッグドリームが6馬身差で新馬戦を圧勝するなど、今年ここまで2歳戦【3-1-1-1】と絶好調である西園正厩舎の管理馬。その指揮官が「ゲートが速い」と評価していたラストクリスマスだったが、レースではその言葉通りのスタートを決めると、2番手追走からゴール前で逃げ馬を競り落として勝利した。
手綱を取った石橋脩騎手もレース後、「今日は能力だけで勝ってくれた」「これから良くなりそうだし、距離も持ちそう」などと、ラストクリスマスの素質や今後の可能性を高く評価している。
「ハナを奪ったオンザヴィーナスが完全に勝ちパターンに持ち込んだかと思ったのですが、ラストクリスマスは最後によく交わしましたね。追われてから実にしぶとかったと思います。先に話した通り本馬は活躍馬を多く送り出しているソニンクの一族だけに、ひょっとしたら大物に育つかもしれませんよ」(同)
この春に話題を集めたスキルヴィングやソングラインと同じファミリーのラストクリスマスが、新たな名牝系の看板になるかもしれない。長い目で追いかけてみたい1頭だ。
PICK UP
Ranking
23:30更新- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
- 【NHKマイルC】アスコリピチェーノ主戦を背に追い切りも「鞍上未定」の怪…レース当週C.ルメール復帰予定、何かしらのサプライズも?
- 三浦皇成「これはモノが違う」悲願のG1初制覇が目前で霧散…「今後、ダート界を引っ張る馬になってほしい」宿敵レモンポップへ1年越しの挑戦状
- 藤田菜七子「日本ダービー騎乗」は幻に!? 武豊シュガークン×エコロヴァルツ「究極の二者択一」ダービー鞍上問題はスピード決着
- 「シャンパンカラーが勝つよ」昨年のNHKマイルCで9番人気の激走を見抜いた“凄腕”が指定したのは、ジャンタルマンタルでもアスコリピチェーノでもないまさかの激走穴馬
- 「信じた俺がアホ」天皇賞・春(G1)大本命テーオーロイヤル優勝も「自信の1点勝負」は空振り…藤田伸二氏が前夜に感じ取っていたドゥレッツァの危険な前兆
- 大躍進の「若手騎手」が日本ダービー初騎乗へ!「因縁」川田将雅ジャンタルマンタルはNHKマイルCへ…武豊シュガークンに迫る末脚で優先権獲得
- 天皇賞・春(G1)テーオーロイヤルだけじゃない! 皐月賞「大逃げ」メイショウタバル、高松宮記念1番人気ルガルなど「個性派の宝庫」三嶋牧場がスゴイ
- JRA「出禁」になったO.ペリエ「税金未払い」騒動!? L.デットーリ「コカイン使用」K.デザーモ「アルコール依存症」過去の”外国人騎手トラブル”に呆然……
- どれだけハズレても我々は「バッターボックス」に立たせてもらえる! 悔いを残したくないからこその大ダメージ…競馬と後悔の実に深い繋がり【徒然なる神のくず競馬トーク】