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パチンコ「破壊的な止め打ち効果」を持つ機種のお話【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第81話:パチパチスタジアム】

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ドラゴン広石コラム『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ第81話:パチパチスタジアム
ドラゴン広石コラム『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ第81話:パチパチスタジアム

ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ

第81話 パチパチスタジアム

 最近ではほとんど見かけなくなりましたが、ほんの数年前まで「小当りRUSH」を搭載したパチンコが多くのホールに設置されていました。

 ここで言う「小当りRUSH」とは一部の確変に付随する出玉増幅装置のことで、右打ち中に頻繁に小当り(アタッカーが数秒間だけ開放する)が発生して、出玉を増やしながら次回大当り抽選を受けられる画期的な機能です。

 もちろん、小当りRUSHがループすることもあるため、確変大当りを上手く絡めてタイミングよくハマれば、一撃で数千個もの大量出玉を獲得できる可能性がありました。

 ただね、話だけ聞くと非常に魅力的なシステムに思えますけど、その実、小当りRUSH突入率がかなり低かったり、出玉を小当りRUSHに極振りしていて大当りの獲得出玉を削られていたり、なぜだか小当りRUSH中に限って次回大当りをすぐに引いたり(いわゆる即パン)、とにかく出玉が安定しないため、ホール側は釘を締めやすく、打ち手側にしてみればプレイ中に半端なくストレスを感じるんですよ。

 そもそも、右打ち中に「大当りを引くな!」と祈りながら打つなんて、パチンコの本質から大きく乖離しています。だからこそ無限の可能性を秘めていながら、今ひとつ小当りRUSH搭載機が盛り上がらなかったんじゃないかなぁ…と私は思います。

 しかしながら、パチンコの歴史を振り返ると、似たような仕様でヒットを放った機種も存在したんですよ。

 今回はそんなパチンコの昔語りをお届けします。

 以下、本編。

ドラム方式の一般電役『パチパチスタジアム』

 時は平成7年(1995年)の8月、SANKYOさんからドラム方式の一般電役『パチパチスタジアム』がリリースされました。

SANKYOの『パチパチスタジアム』。大当り確率が240分の1の一般電役で、ドラムの有効ライン(中段および斜めの3ライン)に図柄が揃ったら即右打ちを行う。以後は3個ある電チューの連動によって出玉を増やし、1回の大当りで概ね2400個前後の出玉を獲得できる。『CR・Fネプチューン』と同様のナスカ枠を使用していた。
SANKYOの『パチパチスタジアム』。大当り確率が240分の1の一般電役で、ドラムの有効ライン(中段および斜めの3ライン)に図柄が揃ったら即右打ちを行う。以後は3個ある電チューの連動によって出玉を増やし、1回の大当りで概ね2400個前後の出玉を獲得できる。『CR・Fネプチューン』と同様のナスカ枠を使用していた。

 この機種は盤面の右側にスタートチャッカーがないため、一般電役の醍醐味である連動中のダブルやトリプルは発生しないのですが、大当り時にドラム上部の7セグに「F」が表示されると時短に突入し、中央の電チュー(スタートチャッカー)が頻繁に開放することで出玉を減らさずに次回大当りを獲得できました。

 時短突入率は4分の1で、時短継続率は4分の3(上部の7セグに「-」表示で時短終了)。ようするに、時短に入れば75%の割合で実質的な連チャンが発生するんですよ。もちろん、パチパチスタジアムは現金機につきCR機のような確率変動はありませんが(それゆえ、時短を取り切るのに数時間を要することもありました)、当時の現金機としては破格の爆発力を備えてました。

最大の攻略ポイントは「時短中に〇〇が効きまくる」

 そして、パチパチスタジアム最大の攻略ポイントは、「時短中に止め打ちが効きまくる」という部分にあります。中央の電チュー開放確率は通常時&時短中ともに2分の1。

 ただし、通常時はミニデジタルの変動が29.5秒もかかる上に開放は0.5秒につき、上手く玉を拾ったらラッキー…程度の性能ですが、時短中はミニデジタルの変動が5.5秒に短縮され、開放時間も3.5秒になるため(3カウント付き)、チマチマと止め打ちするだけでモリモリと出玉が増えました。電チューの賞球は6個につき、メインデジタルでハマればハマるほど出玉を増やせたんです。

 でもって、最初の頃は止め打ちの重要性があまり浸透しておらず、おっちゃん&おばちゃんは打ちっぱで消化する人が多かったんですが、プロの皆さんは当然のことながら止め打ちに勤しむわけですよ。

 そうなると、当然の流れとして釘がガチガチに締められて、時短中に止め打ちをしないと恐ろしい勢いで出玉が減るような調整を余儀なくされます。

 もっとも、当時は2.5円交換が主流ですから、そんな調整を行うと客が飛んじゃいますよね。お店のイメージダウンにもなるし、上手く扱えず早めに撤去したお店も多かった。まぁ、破壊的な止め打ち効果を持つ機種の末路って大抵はそんなものです。

 そんなわけで、パチパチスタジアムは多くのファンに愛されつつも静かにその生涯を終えたんですけどね。驚くことにSANKYOさんは、平成10年になってパチパチスタジアムを復活させました。

 ただし、機種名を『熱闘コロシアム』に変えて。導入台数は非常に少なく、現在、ネットで検索しても機種名すらヒットしませんが、見た目はまんまパチパチスタジアムで、大当り確率も時短の仕様も全く同じでした。

投資1万円で大当り。7セグに「F」が停止も…

 当時、私は荻窪のD店(後に居抜きでH店に変わって現在はすでに閉店)に通っていたんですが、あるとき新装で「熱闘コロシアム」が1列16台も導入されたんですよ。

 その時はたまたま仕事が立て込んでいたので、打ちに行くのは新装の翌週になりましたが、開店と同時に熱闘コロシアムのシマを目指すと、驚いたことに先客どころか後続の客すらナッシング。まるで狐につままれたかのような気分で打ち始めると、どうにも回転率があまりよくありません。

 なるほど、回らないから誰も打たないわけだ。それでも、懐かしさにかられて打ち続けると投資1万円で大当り。しかも7セグに「F」が停止したんです。

 この瞬間、本日の大勝利を確信しました。そんなわけで、大当り消化後に止め打ちを始めたところ、シマの端っこに立ってた店員さんが2人、もの凄い勢いでコチラに走ってきたんですよ。いったい何事かと驚いていると、わりと高圧的な態度でこう言われました。

「当店では時短中の止め打ちを禁止しております。保留が満タンになった場合でも、ハンドルから手を離さずに打ち続けるのが当店のルールです。聞き入れて頂けない場合、出玉没収となりますのでご注意ください」

 いやまぁ、店内ルールというなら仕方がないよね。それで渋々ながら打ちっぱで消化したんですけど、これがまたビビるくらいに出玉が減るんですよ。電チューの寄りを削られてる上に、ミニデジタルを回すスルーまで締められて、おまけに大当り中の出玉まで少ないような印象です。

 昔打ってたパチパチスタジアムでは大当りの出玉が2000個を切ることはなかったんですが、さっき引いた初回大当りの出玉はどう見ても1800個もありません。てゆーか、こんなん打ってられるか!

 とは言え、さすがに時短中の台を捨てるわけにはいかないので、早く時短が終わることを祈りながら打ち続けたんですが、こんな時に限ってなかなか終わらない。結局のところ時短は7連チャンまで伸びて、最後に「-」が表示された時は心からほっとしました。これでようやくヤメられる。

 大当り終了で流した出玉は約10500個。仮に止め打ちを駆使していれば、普通の釘調整なら20000個は獲得できてたと思います。

 D店のパチンコは3.3円交換につき、差し引き2万チョイのプラスだけど、心情的には2万円も負けた気分です。こんなにストレスが溜まるパチンコなんて打っていてまるで面白くないじゃん! だから新装直後なのに客がぶっ飛んでたわけだ。

 その後、私は二度とD店で『熱闘コロシアム』を打つことはありませんでした。合掌!

ドラゴン広石

ドラゴン広石

ドラゴン広石(昭和38年12月生まれ)
平成7年に白夜書房「パチンコ必勝ガイド」編集部の門を叩き、パチスロの知識と経験、目押し力を買われて「パチスロ必勝ガイド」のライターに採用された。リアルタイムで「パチスロ0号機」を遊技した経験を持つ、唯一のパチスロライターである。令和4年現在でライター歴は27年。代表作に「枠上人生」、「浮草家計簿」(連載中)、「回胴絶景」(連載中)など。1日の最大勝ち額~プラス41万3千円(クラブロデオT)、1日の最大負け額~マイナス12万9千円(初代・北斗の拳)。

Twitter:@dragon_hiroishi

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