パチンコ「最後の300円」で大逆転!! 窮地を救った「天使」は伝説上の……?

 これを繰り返しながら、線路沿いに特急や快速急行が止まる大規模な駅を目指す。その駅には大規模のアーケード商店街があり、そこに6〜7店舗ほどのホールがあるので、先ほどのように周りながら羽根物ざんまいである。

 この流れで散々やられた場合に、帰りは大きな国道沿いまで北に迂回するルートを通って『ダンシング金ちゃん』を打つのだ。当りの軽いこのマシンは負け保険として機能し、私の救世主となってくれたのである。

 ある時などは、財布の中身が300円。これが全財産。手持ちの、ではない。私の総資産が、である。次に収入があるまで3日間。家に多少ある米や食材などを考慮すればギリギリしのげる300円である。

 しかし、もうボコボコにされて我を見失っていた。さすがにもう家に帰るしかないと、大規模な駅の近くにあるパチンコ屋の駐輪場で愛機にまたがった後、気がつけば『ダンシング金ちゃん』の前に座っていたのである。

 無意識のうちに100円を台間サンドに投入した。まさに身銭を切る行為。鳴く金ちゃん。空振りする玉。減る上皿。募る焦燥感。その時である。2チャッカーの1開放目で入賞した玉が、羽根からダイレクトに下段ステージに落下し、傾斜をスライスしながらVゾーンに吸い込まれた。

 大当りのファンファーレ。光る盤面。赤く反射するガラス板に映る私は、満面の笑みであった。最終的には止め打ちまで到達し、資産を何十倍まで増幅させる運用に成功したのである。

 このように、最後の望みを賭ける一台であったとはいえ、金ちゃんだけに“金”目当ての愛人関係だけではないことは強調したい。V入賞パターンが実に多彩で、ゲーム性も面白いことが根本にあってこそ。しかし、ニューギンの台であったことを知ったのはずいぶん後の話である。

(文=大森 町男)

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