「こんな大雪の中、飲みに行くなんてバカじゃないの?」その帰り道で起きた“偶然の奇跡”を回顧【濱マモルののほほんコラムVol.185~人助け~】

濱マモルののほほんコラムVol.185~人助け~

 先日、雪がちらついた。冬なんだし、そりゃあ気温が低下すれば雨も雪に変わるわけで、東海や西日本エリアでは交通網が乱れるなど、かなりの影響を受けたようだ。

 首都圏は、昨年も1月上旬に降雪した。その日は昼頃から子供たちと平和島競艇場へいたところ、突如としてドカ雪。それと同時にテンションが爆アガリした子供たちは警備員さんの「寒いし、屋内に入ったら?」という言葉を無視して雪遊びを始め、アタシは凍えながら、その様子をひたすら見守った。結局、レースは後半、中止が決まった。

 自宅付近に戻ってからも、子供たちのテンションは一向に下がらず、近所の公園で再び雪まみれに。降れば降るほど現実を知る大人としては明日以降の生活を心配してしまうし、なんならこんな日は家から一歩も出たくないのだが、酒の予定となれば話は別、数年前、同様に大雪の日、アタシは夜から飲みに出掛けたことがあった。

 おそらく、来店取材だったように思う。大阪を拠点とする友人の演者が横浜へ前乗りするというので合流。横浜五番街付近にある馴染みのお店でジョッキをあおりつつ、当時のパチスロについてあれこれと語り合った。

 事前にニュースで何度も大雪と伝えられていたからだろう。いつもは賑わう店内も、人はまばら。止まるかもしれない電車を気にしてか、そのまばらな客たちも軽く飲んだだけで席を立ち、21時頃には我々だけとなった。

「雪がすごいし、そろそろお店を閉めたいんだけど…いいかな?」。22時頃、店員のおばちゃんから声をかけられた。閉店を待たずしてコンプリート機能発動。まぁおばちゃんたちが帰宅できなくなっても悪いし、そもそも友人だって明日は朝イチから仕事だし、素直に会計を終えて電車で帰路についたのだが、自宅へ着く直前、事件が勃発した。

よくよく見ると、その黒い塊はゴミではなく、見知らぬおじいさん

 失礼な話だが、最初はゴミかと勘違いした。「うちの近所にでけーゴミを捨てやがって。とんでもないことをするクソ野郎がいるもんだ」。そんなことをつぶやきながら近付くと、何やら違和感。よくよく見ると、その黒い塊はゴミではなく、見知らぬおじいさんがうずくまったまま雪に埋もれていたのである。

 気温は氷点下。薄手の黒いシャツだけのおじいさんは、意識がもうろうとしていた。すぐに着ていたジャンパーを羽織らせ、急いで自宅に戻って温かい飲み物を。同時に救急車と警察を呼び、到着するまで、話しかけ続けた。

 十数分後、無事に搬送されると、警察に状況を説明。その後、どこの病院へ運ばれ、どうやって親族を探し出したかは分からぬが、翌日、ポストに警察からの「無事、家族と連絡が取れました」という手紙が入っており、安堵したことを覚えている。

 正直、出掛ける前は嫁さんに猛反対されていた。「いくら約束だからって、こんな大雪の中、飲みに行くなんてバカじゃないの?」。そんな風に言われていたが、飲みに行ったが故に、救えた1人の命。この時ばかりは、我が行動を自画自賛したものでした。

濱マモル

神奈川県横浜市出身。レコード会社勤務の後、フリーライターへ転身。パチンコ・パチスロやギャンブル系を中心に、野球、音楽、街情報など幅広い分野で執筆する。特技は料理と飲酒で、超常現象好き。ドラマーとしての顔も持つ。

Twitter:@hamamamoru777

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