パチスロ「ハイスペックによる連チャン性とユニークな出目で人気に」~4号機名機伝説~ 『ジャックポットⅡ』前編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.82】


 1980年代初頭、史上初となる箱型スロット機『パチスロパルサー』を世に送り出し、回胴業界の発展に多大なる貢献をした関西の老舗メーカー、尚球社(現在の岡崎産業)。

 その後も同社は、集中役「ジャンボフルーツ」でセンセーションを巻き起こした2-1号機『チャレンジマン』や、期待値方式によるビッグ大量獲得を実現した3号機『ミラクル』『チャレンジマン7』など革新的なマシンをリリース。つど、注目を集めてきた。

 そんな同社が1993年秋にリリースした4号機第1弾が、『ジャックポットⅡ』である。


 仕様は、表面上のボーナス比率2:2のAタイプ。スペックは、BR両ボーナスがバランスよく配分された連チャン指向の強い確率設計で、なおかつ当時のAタイプ機ではトップクラスの機械割を誇った。


 本作はまた、独創的な出目演出でも注目を集めた。4号機時代初期においては、とかく邪魔者扱いされることの多かったリプレイ。それを、リーチ目に関わる重要なシンボルとしたのである。

 リプレイ絵柄である「コイン」が左→中で上下段や斜めにテンパイし、右リールでハズれればもれなくリーチ目、さらに中段にテンパイすれば、その時点でリーチ目となった。

 7.3分の1で頻繁に出現するリプレイに期待感を持たせる本作の出目演出は多くのファンに好評をもって受け入れられた。

 そして、『ジャックポット』シリーズはその後も長きに渡り、「リプレイテンパイ型リーチ目」とともに尚球社の看板として広く認知されるに至ったのである。

 さらに本作は、ビッグの獲得枚数に大きなブレ幅があることでも注目を集めた。

 サンプルを集めて平均すると他社のマシンと同様、370枚前後に落ち着いたのだが、当時のパチスロ必勝ガイドの実戦では最大で434枚、最小で302枚と、その都度その都度では、とにかく安定しなかったのである。


 しかも、実戦した時期や店によって、ビッグ中の小役出現率に明らかな違いが見られたのだから、さぁ大変。


「時期や店によって出方が違うなんて…まさか、ひょっとして…!?」
「そんなわけないだろ。乱れまくってた3号機の時代じゃあるまいし…」
「でも、ここまで差が生じるなんて、あきらかにおかしいですよ」
「確かに、そうだな。う~む…」

 そんな風に連日、編集部内では答えの見えない論議が続いた。

 …と、そこへ、ある攻略スタッフが、こんなことを呟いた。

「閉店間際とか急いでビッグを消化してる時に限って、小役ばかり続いてパンクしそうになっちゃうんですよね」
「…で、ひと息つこうと手を止めると、あっさりボーナスインしたりするんですよ。だから、パンクしそうになったら、手を止める。これは効きますよ」

 そう熱弁する彼に、誰もが「またいつものオカルトが始まったよ…」と苦笑いした。

 ところが…である。その「急いで打つと小役が偏る」「手を止めると流れが変わる」という理論は、あろうことか4号機初となる破壊的な攻略法につながるのであった──。

(文=アニマルかつみ)
〈著者プロフィール〉
兵庫県尼崎市出身。1992年春にパチスロ必勝ガイドのライターとなり、以来30年にわたってメディア人の立場から業界の変遷を見つめてきた大ベテラン。ぱちんこ・パチスロの歴史に関しては誰にも負けない博識を持つ。最近ではYouTube動画チャンネル「ぱち馬鹿」のメンバーとして、各種企画の制作や出演、生配信などにも精を出している。ライター稼業のかたわら、ロックバンドのベースプレイヤーとしても活動中。愛猫家。昭和レトロ好き。

■Twitter(@anikatsu213):ANI-Katsu(アニマルかつみ)

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