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小役をカウントしていただけで事務所へ連行? 話題沸騰『スマスロ北斗の拳』で思い出す昔の設定推測方法【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第28話:パチパチくんα】

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第28話 パチパチくんα

 現在、巷のホールでは『スマスロ北斗の拳』が大人気を博しています。言うまでもなくこの機種は、今から約20年前に総売り上げ台数が「約62万台」という、パチスロ史上最大のヒットを放ったサミーの名機『パチスロ北斗の拳』(いわゆる初代北斗)の正統後継機です。これまでにも「初代の再現」を謳った北斗は何機種かありましたが、そのいずれも初代北斗を愛したプレイヤーが納得できるゲーム性にはほど遠かった。まぁ、敢えて初代のゲーム性から脱却してファンに支持された『パチスロ北斗の拳 転生の章』のイレギュラーヒットはありましたが、一子相伝の正統伝承者を名乗るにはあまりにもゲーム性が違い過ぎていたのもまた事実です。

 しかし、スマスロ北斗の拳は「初代の完全再現」を名乗るにふさわしく、素晴らしい仕上がりになっていると私は思います。実際に遊技された方ならわかるでしょうが、プレイ中の打感はまさに初代北斗そのもの。高揚感やイケイケ感、イライラ感や腹が立つ感まで見事に再現されており、これまでの亜流北斗では拭えなかった違和感(どこか北斗じゃない感)は微塵も感じない作りになっています。

 もちろん、4号機のゲーム性を6号機に置き換える上で、変更せざるを得ない部分は数多くありますし、各種液晶演出を大幅にブラッシュアップした結果、ビジュアル面のリアルさは初代北斗の比にならないほど進化してますが、それをもってスマスロ北斗にダメ出しする人は居ないでしょう。むしろ、スマスロ北斗の期待が更に高まったからこそ、すでにパチスロを打つのをヤメて久しい「離脱層」が歓喜しているのです。事実、スマスロ北斗のシマを覗けば、日頃は全く見ることのない熟年プレイヤーが、いそいそと中押しに励む姿を目にすることが出来ます。だからこそホールさんは今、スマスロ北斗を甘く運用すべきなんです。離脱層に成功体験を覚えさせて呼び戻せば、また以前にようにパチスロ界が盛り上がることも夢ではないでしょう。今はまだ客付きが抜群ですが、目先の利益を優先して客から必要以上にブッコ抜かないようくれぐれもお願いします。

 さて、少し前置きが長くなりましたが、今回の昔話は初代北斗についてです。

『パチスロ北斗の拳』

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パチスロの歴史に不滅の金字塔を打ち立てた、サミーの『パチスロ北斗の拳』。AT10G+JACを1セットとしたバトルボーナス(BB)が連チャンすることで出玉を増やすCタイプストック機で、各種抽選は「第3停止ボタンを離した瞬間」に行われる(小役の配当があった場合は払い出しを終えた瞬間)。設定差があるのは初当り確率のみで、BB当選後の展開はプレイヤーのヒキに委ねられる仕組み。従って、初当りを引いてしまえば出るも出ないもヒキ次第。ある意味で、究極の自己責任マシンだ。(写真は「パチスロ大図鑑2001~2007/ガイドワークス刊」より) 


 初代北斗はチャンス役の出現率が設定ごとに違っていました。詳しく説明すると、チャンス役は5種類あり(強&弱チェリー、強&弱スイカ、チャンス目)、それらが成立した際にモード移行抽選が行われます。そして、最終的に「前兆モード」と呼ばれる状態に移行すればBB当選が確定します。各チャンス役の出現率は設定に準じて段階的に優遇されており、結果的に高設定ほどBB初当り確率も高くなる仕組みです。

 そうなると、誰もが考えますよね。チャンス役の出現率に設定差があるなら、それらを個別にカウントして内部確率に照らせば台の設定が読めるんじゃね?…と。

 今で言う「設定推測」ですね。実際、各攻略誌も「初代北斗では小役カウントが必須!」と大々的に煽ったため、ホールではチャンス役が出現するたびに台の脇にコインを積んだり、ケータイのメモ機能や手帳を使ってメモする打ち手が増加しました。ちなみに、台の脇にコインを積む…というやり方は、昔のパチスロ必勝ガイドでは普通に行われていたカウント方式でしたが、何かのはずみでコインの山を崩してしまうとさぁ大変。せっかくのデータが意味をなさなくなるので、正確を期すならメモするのが無難ですね。当時は究極小役カウンター「勝ち勝ちくん」などのお助けアイテムはまだなく、プレイヤーは苦労しながら初代北斗の設定推測に勤しんでいたんですよ。なのに、時が流れてスマスロ北斗では、「マイスロ」(サミーのモバイル連動サービス)を起動するだけで、マシン側が自動的にカウントしてくれます。いやはや、なんとも便利な時代になったものですね。

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左は究極小役カウンター「勝ち勝ちくん2.0」、右は同じく「勝ち勝ちくんLED」。勝ち勝ちくんシリーズはマイナーチェンジする度に性能が向上し、最終的にはボタンの押しミス防止機能を搭載した右側のモデルで完成形を見た。元々はエヴァシリーズの攻略(小役出現率に大きな設定差がある)を目的に開発されたアイテムだが、今もジャグラー系を実戦する際に使用するプレイヤーは多い。


 最近は小役確率が全設定共通の機種が増えてきたため、あまり「勝ち勝ちくん」の必要性を感じられないプレイヤーが大半でしょうが、かつてエヴァシリーズを実戦する際にはマストアイテムと呼ばれたものでした。

 ところで、実は「勝ち勝ちくん」や「カンタくん(パチスロ必勝本が販売していた小役カウントアイテム)」が登場するより遥か以前に、すでに小役カウンターが存在していたことを皆さんはご存じでしょうか?

これによりデータ取りの環境が劇的に変化!

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元祖小役カウンター「パチパチくんα」。90年代の後半に「株式会社サプライズ」というメーカーが社運をかけて製造・販売を行った小役カウントアイテムである。

 私がパチパチくんの存在を知ったのは、『サンダーV(初代)』のデータ取りで関内に行った時のこと。たまたま実戦店がパチスロ攻略マガジンさんのスタッフとバッティングしたんですが、彼らの手元を見ると小役が揃う度にピンクの物体のボタンをポチポチしてるんです。データ取りから帰宅した後、気になって調べてみたら「パチパチくんα」という商品名だとわかりました。

 それで、是非ともパチスロ必勝ガイドでも導入すべきだと編集長に進言したところ、ガイド編集部で大量に一括購入することになったんです(単価は3千円チョイだと記憶)。自分たちライターはそれぞれ1個ずつ支給されたわけですが、これによりデータ取りの環境が劇的に変化しました。それまでのコインを積んでいたデータ取りに比べると、その便利さは本当に衝撃的。まさにデータ取りのルネッサンスが到来したようなものです。当時のパチパチくんは床に落としただけでデータが飛ぶし、頻繁にエラーも起きる困ったちゃんな仕様でしたが、パチパチくんのお陰で労力が激減したのは言うまでもありません。

 でもって、こういう便利なアイテムがありながら、自分は初代北斗を打つ際にはケータイのメモ機能を活用してたのよね。なぜって、とにかく目立つからです。今の時代であればホール側も基本的に客を放置してくれますが、当時はまだゴトやら何やらの不正行為がそれなりに行われていた4号機時代。こんな怪しいアイテムをポチポチやりながら打っていれば、店側から注意を受けかねません。

 事実、「ビッグフット7」という7ライン機のデータ取りで新宿の某店に行ったデータマンは、パチパチくんを店員さんに咎められて全員が事務所に連行されたそうな。そして、その場でデータ取りの責任者(この時は先輩のライターN氏)が編集部に電話で助けを求め、後日、副編集長が謝罪に出向くことで事態は収まったのですが、こういうリスクがあるとわかった以上、プライベートで打つ際にパチパチくんを使うのは少し躊躇してしまいます。ならばケータイで…となるのは無理からぬ話でしょう。データ取り中に起きたトラブルならまだしも、それ以外で編集部に迷惑をかけたらダメですからね。

 というわけで、今回は「小役カウンターにも歴史あり」という話でした。

 それではまた次回!

ドラゴン広石

ドラゴン広石

ドラゴン広石(昭和38年12月生まれ)
平成7年に白夜書房「パチンコ必勝ガイド」編集部の門を叩き、パチスロの知識と経験、目押し力を買われて「パチスロ必勝ガイド」のライターに採用された。リアルタイムで「パチスロ0号機」を遊技した経験を持つ、唯一のパチスロライターである。令和4年現在でライター歴は27年。代表作に「枠上人生」、「浮草家計簿」(連載中)、「回胴絶景」(連載中)など。1日の最大勝ち額~プラス41万3千円(クラブロデオT)、1日の最大負け額~マイナス12万9千円(初代・北斗の拳)。

Twitter:@dragon_hiroishi

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