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『スマスロ北斗』デビュー前に不安視していた理由は…【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第32話:北斗の拳SE】

『スマスロ北斗』デビュー前に不安視していた理由は…【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第32話:北斗の拳SE】の画像1

第32話 北斗の拳SE

 パチスロ界の救世主となるべく誕生した機種。これがコケたらもはや業界に未来はない…とまで絶賛された『スマスロ北斗の拳』の設置がスタートして、早1ヶ月以上が経過しました。

 デビュー前は「古くさい初代北斗のゲーム性が果たして今のプレイヤーに受け入れられるのか?」といった不安感から、大量導入を疑問視する声も各方面からチラホラと聞こえてきましたが、いざ蓋を開けてみればそんな不安感などどこ吹く風とばかりに人気は鰻上り。スマスロ北斗は多くの設置店でフル稼働を記録して、導入からしばらくは「打ちたくても(台を取れずに)打てないプレイヤー」がシマに溢れました。

 実は私もスマスロ北斗を疑問視していた一人でしてね。もちろん、台がつまらないという意味じゃありません。現行機種の演出バランス(ほぼ毎ゲームのようになんらかの液晶演出が発生して期待感を煽る仕様)に馴らされた若者層が、初代北斗の演出バランス(チャンス役を引かなければ延々とケンシロウが散歩しているだけ)についてこれるか…という不安を最後まで拭えなかったんですよ。

 しかし、私の愚かな予想はものの見事に外れました。正直言って、これほど嬉しいことはありません。パチスロ攻略情報誌に携わるライターの一人として、スマスロ北斗の大躍進を心より歓迎したいと思います。

遥か昔に同様の謳い文句で「大コケ」したマシンが?

 ところで、少し言い訳っぽく感じるかも知れませんが、私がデビュー前のスマスロ北斗を不安視していたことには、次に述べるような理由があるんですよ。

 皆さんもホールのポップ等で見かけたことがあると思いますが、スマスロ北斗は「初代復活!」と銘打たれています。これについては、レギュレーションの違いにより微調整をかけざるを得なかった部分も少なくないとは言え、遊技中の打感はまんま初代北斗だし、初当りを取って以降は基本的に打ち手のヒキ次第につき、初代のゲーム性を完全再現したという謳い文句も決して大袈裟な表現ではないと私は考えます。

 だけどね、遥か昔に同じような謳い文句で大コケしたマシンがあったんですよね。それを思うと不安感が大きくて…。その機種の名は、ズバリ『パチスロ北斗の拳SE』(機種名のSEはスペシャルエディションの略)。この機種は検定切れを迎える初代北斗の入れ替え用にリリースされたマシンにつき、セールス的には大成功を収めてるんですが(累計販売台数で約34万台は、初代北斗の約62万台に次ぐ歴代2位の記録)、ゲーム性も演出バランスも「改悪」としか思えない上に、とにかく基本スペックが辛かったのよ。

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写真は「パチスロ大図鑑2001/ガイドワークス刊」より

 以下は初代北斗と北斗SEの具体的な比較です。

1、機械割
 初代北斗の機械割は設定6で119.7%(メーカー発表値)となっていますが、北斗SEのそれは設定6で約108.5%(メーカー発表値)。当時の4.7号機規制に沿って出玉性能を抑えたのは仕方がないけれど、後に各攻略誌が行ったシミュレーションにより、北斗SEの実質的な機械割は設定6で104.62%と判明したんです。

 果たしてこれはメーカーによる機械割の詐称なのか、それともシミュレーションの際にたまたま低く出たのか…? 念のために説明しておきますと、不確定要素の多いAT機やST機は純Aタイプ機のように机上の計算で機械割を算出することができません。

 ゆえに、各設定ごとにシミュレーションを行い、「1日に7千G消化×100万日」などの条件で実測するのですが、試行サンプルが少ないと当然のことながら数値は暴れます。つまり、メーカー発表値が必ずしも機械割の詐称とは言えないけれど、打ち手側が騙された気分になるのは仕方ないでしょうね。

2、モード移行
 初代北斗&SEには4種類のモードがあり(低確・通常・高確・前兆)、各種チャンス役を引くたびにモード昇格抽選が行われます(転落契機は主にリプレイ)。いずれも「スイカで段階的にモードを上げて2枚チェリーで前兆にぶち込む」というのが王道的なバトルボーナス(BB)当選パターンなのですが、高確滞在中に2チェを引けば前兆移行が確定した初代北斗に対し、北斗SEでは高確中の2チェによるBB当選率が50%に引き下げられました。機械割を下げるのが目的かも知れませんが、プレイヤーにしてみれば絶対に許せない改悪ポイントですね、ええ。

3、通常時の演出
 初代北斗には4種類のステージがあり(シン・サウザー・ジャギ・ラオウ)、上位ステージほど高確滞在および前兆の期待度が高まりました。一方、北斗SEではステージの概念がオミットされ、代わりに背景変化で滞在モードを示唆する仕組みです。

 それゆえ、登場したボスの種類でBB期待度が激変するのだけど、上位ボスとして「ハート様」が置かれたためにジャギの期待度がやや低くなりました。また、初代では青オーラ・大が出現しただけで高確滞在が確定しましたが(ただし第3停止時に転落の可能性あり)、SEでは通常以下でも出現するように改変。同様に、初代では2チェ確定の赤オーラ・大が、SEでは4チェ時にも選ばれるようになりました。まさに違和感だらけですね。

4、BB中の演出
 初代北斗ではBB当選後に10GのATに突入し、次にJACインしてラオウとの継続バトルが発生しました(ケンシロウが倒れない限りBB継続)。しかし、北斗SEではこの順序が逆転して、最初にラオウとの継続バトルが発生→ケンシロウが倒れなければJACインというシステムに変更(初回のみは必ず継続)。

 また、初代ではバトルパートでラオウからの攻撃を受けた際に、踏ん張っている画面で背景の雲が流れていれば必ず立ち上がるという演出法則がありましたが(開発時のバグらしい)、SEでは雲が元気よく流れていても容赦なくケンシロウが敗北します。てゆーか、いくら元がバグだとしても、打ち手に広く認知されたバグを今さら取り除く必要なんてないのにね。

 そして、SEにおける最悪の改変が「BGM変化」です。初代では10セット目以降の継続確定時に「3分の1」の割合でTVアニメ「北斗の拳」の主題歌(愛をとりもどせ!!)が流れますが、SEの場合は7セット目以降に「2分の1」の割合で主題歌が流れるのみ。ようするに「継続確定時」という条件がないため、楽曲変化したセットでBB終了…という可能性があるんです。これはヒドい!

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5、改良点
 ここまでさんざんコキおろしてきましたが、北斗SEにも改良点と呼ばれるポイントがいくつかあります。まず第一に、最低継続率が底上げされたこと(初代では最低66%、SEは最低75%)。第二に、BBが14セットに到達すると3分の1の割合でTVアニメ「北斗の拳2」の主題歌(TOUGH BOY)が流れること。第三に、音声データの追加(テロップだけだったセリフに声優さんの声が入る)。他には…うーん、思いつかないや。

 以上のように、「北斗SE」は「初代北斗」に比べて甚だ見劣りする内容だったんです。結果として、検定が切れる初代の代替機として導入したはずが、あっという間に客が飛んだために初代を再設置するホールがあったり、なんとかしてSEに客を付けようと朝から全台に「設定6確定」の札を刺したりと、設置店は涙ぐましい営業努力を続けたんですが、その甲斐もなくSEのシマには閑古鳥が啼くようになりました。

 当時、私は中野区の某店に通ってたんですけどね。そのお店は初代の半分をハズしてSEを導入しましたが、あまりの客付きの悪さに約1ヶ月でSEを撤去しちゃいました。私は長いことパチスロを打ってきましたが、「設定6」の札が刺さっているのに誰も打たない状況を見たのは初めての経験です。

〇〇のホールは打ち手に還元しても良いんじゃ…

 それで、どうしてこうなったのか考えたんですが、おそらくは「初代北斗の完全再現」を目指したのが悪かったんじゃないかな…と。

 相手はなにしろパチスロ史上最高の累計販売台数を記録した怪物マシンです。そのゲーム性を完全再現することは4.7号機規制があって不可能なのに、それでも無理して寄せたがために中途半端に似てしまったと。そこにどれほどの苦労があったか推し量ることすらできませんが、「二代目は初代を超えて初めて同等と評価される」ことから考えると、やはりSEは非常に残念な失敗作でした。

 …とまぁ、こうした過去の例があるから私は『スマスロ北斗』に不安を抱いたのだけど、結果から言うと北斗SEの二の轍を踏まずに済んだようで何よりです。近い内にスマスロ北斗の増台がスタンバイしてるという噂も聞きますし、ようやく「打ちたくても打てない状況」から脱却できそうですね。

 あとはお店側がスマスロ北斗を大事に使ってくれることを祈ります。大型連休中に客から容赦なくブッコ抜いたホールさんは、そろそろ打ち手に還元しても良いんじゃないですかね、ええ。

ドラゴン広石

ドラゴン広石

ドラゴン広石(昭和38年12月生まれ)
平成7年に白夜書房「パチンコ必勝ガイド」編集部の門を叩き、パチスロの知識と経験、目押し力を買われて「パチスロ必勝ガイド」のライターに採用された。リアルタイムで「パチスロ0号機」を遊技した経験を持つ、唯一のパチスロライターである。令和4年現在でライター歴は27年。代表作に「枠上人生」、「浮草家計簿」(連載中)、「回胴絶景」(連載中)など。1日の最大勝ち額~プラス41万3千円(クラブロデオT)、1日の最大負け額~マイナス12万9千円(初代・北斗の拳)。

Twitter:@dragon_hiroishi

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