パチンコ店オーナー「ひげ紳士さん」が面白おかしく仕掛ける〝接客の意図”を考察してみた!
コントや打ち合わせのような接客は本当なのか?
ここのところの筆者の記事について、読んでいただいた皆さまはお気づきだと思います。レトロ台とパチンコ店オーナー「ひげ紳士さん(ひげさん)」について多数書いてきました。もっといえば、ひげ紳士さんの行動が中心だったかもしれません。それだけ、気になることが多かったのです。
筆者も自身の旧ツイッター(X)で、その記事と連動させてきました。するとそれを読んでいただいたフォロワーさんの皆さんから、「ひげさんと仲が良いですね?」とか「毎回コントみたいで面白いです!」など多数の反響をいただきました。筆者の旧ツイッター(X)では、ひげさんとの掛け合い漫才のような動画をアップしています。それは、全く打ち合わせの無いアドリブなのです。
今回は、レトロ台などの機種回想記事ではありません。筆者とひげさんとの掛け合いなどから、ひと昔前と現在のパチンコ店における接客を考えてみたいと思います。
ひげさんが「ゲームセンタータンポポ(タンポポ)」や「神田センター(センター)」に出勤する時を確認して、筆者も来店することもあります。が、始めから計算してひげさんの来店日に合わせることが最近多くなりました。
ひげさんは筆者を発見しては、何かしらのコントみたいな接客を仕掛けてきます。過去にも色々紹介しましたが、ちょっかいを出して、わざとゆっくり接客したりなど、今ではクレームレベルになる場合もあります。しかし全ては、笑って許せる範囲なのです。
これまでの掛け合いを振り返りますと、旧ツイッター(X)でのコメント(リプライ)で多いのが「コント」というワードです。いやいや、あれはコントではないのです。もっといえば、当日ひげさんとの打ち合わせなども全くないのです。筆者は当日、「タンポポ」もしくは「神田センター」に行ってから、ひげさんがどんなトラップを仕掛けてくるのかをむしろ楽しみにしています。
さて「タンポポ」には、写真のように決まりごとが店内に貼られています。数々ある決まりごとのひとつに、こんな項目があります。一番始めには「当店は昭和から平成にかけてのパチンコ店を再現しております」と書かれています。続けて「接客、サービスに関しましても当時を再現しておりますので、不便なところがあるかと思いますがご了解くださいませ」と付け加えられています。
そういえば、以前ひげさんから「俺はここ(タンポポ)に来たら人格が変わるよ!」とおっしゃっていました。確かに、ひげさんが手がけている埼玉県のパチンコ店「チャレンジャー幸手店(幸チャレ)」での接客は違っていました。ここでは、たとえ私でもおふざけ無しの丁寧な接客なのです。
なぜひげさんは、上手く店舗を使い分けて接客をしているのでしょうか? 特にひげさんにヒアリングしたわけでもなく、逆にひげさんからこの件で回答されたこともないのです。
また先日こちらでも紹介しましたが、ひげさんがセミナーで登壇をされました。その時に「タンポポ」について紹介した際、そのコンセプトやこだわりなどを説明したのです。コンセプトは「かつての遊技場の再現」であり、店のこだわりとして打止制や店内大当り放送、マイクパフォーマンスなどを挙げてもらいました。同じく「神田センター」についても、多層階スロット専門店のこだわりを説明していました。
結局のところ、両店舗などの例の接客について何も触れていませんでした。忘れていたのか、もしくは意図的に述べていなかったのか、その辺もわかりませんが…ひげさんが改めてパチンコ店に対する熱い思いを戒めるシーンがありました。私はそれを逃さなかったのです。
それは、ひげさんも出演しているYouTube番組『タンポポぱちんこ物語』でのことです。中でも、埼玉県で廃業したパチンコ店を解体する回のことです。その廃業パチンコ店では、今後「タンポポ」などで使えるかもしれない様々な備品を引き取る予定でした。タイトルは「チームタンポポのトレジャーハンティング(後編)」でした。
その中でひげさんは、備品や残されたモノなどを手に取りながら、何かグッと来るものがあった様子でした。それを現した証として「パチンコ屋さんやろうオレ…」とか、「幸手、がんばろう…」とか、「やっぱりダメだ…」など、ひげさんにはひと昔前のパチンコ店でのセピア色の風景が見えていたのかもしれません。まさに、ひげさんが目指しているパチンコ店の理想の演出(接客)ではないかと感じ取りました。
ひと昔前のパチンコ店を改めて振り返ってみると、やはり「ひげさんが理想とする接客」ばかりなのです。
冒頭にも記しましたが、現在に当てはめると場合によってはクレームに発展することも考えられます。でも本来パチンコ店では、今回紹介した従業員とユーザーとの「共感の接客」が当たり前でした。もっといえば、これは「生きた販促」だったのかもしれません。
最近のパチンコ店では、ここまで近づき過ぎかと思うくらいの接客は皆無に近いでしょう。大半のパチンコ店では、箱積みの上げ下ろしも自動化されてしまい、いわゆる「顧客接点」が減少しつつあったからです。確かに、人件費の兼ね合いもあるかもしれません。でもユーザーは大当りしたら、誰かに共感したいのです。たとえ1人で打ちに来ても、共感してくれるのが身近な従業員がいるからです。
ひげさんも筆者も、あの頃のパチンコ世代です。煽りマイク、箱の上げ下ろし、過激なイベントなどの華やかだったパチンコ店を経験しました。
あの頃に活気あったパチンコ店(もしくはレトロ台ゲームセンターとして)の雰囲気と合わせて、大衆娯楽として令和の時代に浸透させたいのです。
ひげさんは何も語らないのですが、その背中にはあの頃のパチンコ店を再現したい意図を示しています。「あうんの呼吸」ではないのですが、今後もひげさんなどの共感できる方々と共に、筆者もこの空間を創っていきたいものです。
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