暗雲クッキリ!? 辿り着いた環境が全く異なる「パチンコ」と「麻雀」。真逆の道を行く両者が迎える未来は……

「ギャンブル」とは基本的に金や物品などを賭ける勝負の事である。この「ギャンブル」という言葉を聞いて、何を思い浮かべるかは人によって様々だろう。

 ここで触れたいのは、大半の人間が「ギャンブル(好ましくない)」と捉えている『パチンコ』、そして「ギャンブル的要素が強い」といったイメージが染みついている『麻雀』が迎えている‟現在地”についてである。

 戦後、庶民の娯楽や息抜きとして広く社会に浸透したパチンコ業界だが、今やパチンコを取り巻く問題は深刻と捉えられているが、その要因として「パチンコ依存症」に対する事案が挙げられるだろう。

 借金による経済的破綻・家庭崩壊・幼児の車内放置事故はもとより、依存症以外でも最近では店舗における強盗や諸々の事件が頻発するなどといった悲惨な事態が、「パチンコ=好ましくないギャンブル」といったイメージをより強めていった事は間違いない。

 一方、大ブームを巻き起こした麻雀も、長きにわたり「ギャンブル的要素が強い」といったイメージが定着していた存在である。

 麻雀の庶民的な浸透、さらには「麻雀の神様」阿佐田哲也氏や、雀鬼(じゃんき)の異名を持つ桜井章一氏を題材にした数々の小説や映画に加え、『闘牌伝説アカギ』(竹書房)『哲也-雀聖と呼ばれた男』(講談社)といった漫画など、麻雀を取り巻く作品群が与えた影響も大きい。

 社会的な風潮として、またはそれらの作品で麻雀をする際に「金銭を賭ける」シーンが例外なく登場する点など、「麻雀=ギャンブル的要素が強い」といった認識が世間一般に浸透するのは必然だったと言える。

 しかし年月を重ねパチンコと麻雀が辿り着いた‟今”の環境は全く異なる。

 先述したようにパチンコが抱える問題は深刻……射幸性を抑える為の規制が強まっているものの、依然として強いギャンブル性が懸念されている事は間違いない。

「三店方式」という仕組みそのものも問題視され、近年有名人の「違法賭博」が頻繁に報じられたことによって「じゃあパチンコも賭博」と矛先が向かっている部分もある。世間はもはや「遊戯」という言葉に惑わされることがなくなってきているのだ。

 ただ、近年の「麻雀に対する印象」、そして麻雀界の積極的な取り組みは大きく変貌を遂げたようだ。

 まず大きいのは、今や全国各地で『健康麻雀』のイベントが行われており女性やシニア層を中心にブームになりつつある『健康麻雀』の存在。

「賭けない・飲まない・吸わない」を掲げる『健康麻雀』が、メディアに取り上げられる機会が増えると共に「麻雀は健康的な頭脳ゲーム」といった考えを持つ人間が増えてきているようだ。

 瞬間的な「読み合い」や「立ち回り」が求められる麻雀の秘めた要素が、脳の活性化へ良い影響を与えると認知されてきた事は明白である。

 先日、OA機器販売やホスティングサービスを手がける大手企業「スターティア」が新卒採用で「麻雀採用」を始めた話題になったが、現在では正式な採用試験の一つとして麻雀を取り入れている企業もある。

 衰退が確実視されているパチンコ。今や「ギャンブル的要素が強い」というイメージを払拭しつつある麻雀。共に進んでいる道は全く異なるものと言えるだろう。進化と退化というコントラストが明確なのだ。

 現状、麻雀のギャンブルイメージが「完全払拭」されているわけではなく、今後もさらなる努力や裾野の拡大が必要にはなるだろう。それでもパチンコ業界のように「縮小」するだけの方策よりはポジティブな変革ではないか。

 両者が今後、どのような未来を迎えるのか。向かう道筋を見る限り、どちらに「希望」が見えるかは一目瞭然である。

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