ハンドルがバイクのスロットル!? 紆余曲折の苦労メーカー「パチンコ初参戦」は仕掛けにこだわるインパクト重視
パチスロメーカーによるパチンコ参入物語。3番目にパチンコ参入を果たしたパチスロメーカーはコナミアミューズメントだ。ただ、ゲームメーカーであるあのコナミが直接参入してきたわけではない。
もともとはパチスロメーカーとして「高砂電器産業(高砂)」が存在したのだが、この会社がコナミとの資本連携を行い、KPE→高砂→コナミアミューズメントと社名が変更していった。
つまり、コナミアミューズメントのパチンコ・パチスロ部門は旧高砂が担っているのである。したがって、同社初のパチンコ参入マシンは高砂(その当時はアビリット)による。
初のパチンコ参入マシンは『CR海童くん』
その機種は『CR海童くん』。登場は2005年である。この時期のマシンは、前年に行われた大規模な規制緩和によってゲーム性や出玉性能など、魅力的なものが多く生まれたが、本機もまさに04基準バリバリのマシンだ。
スペックは4タイプ用意されたが、確変次回ループと転落抽選が2機種ずつというラインナップで、前者(型式FN)は1/350以下の大当り確率と70%前後の確変継続率を誇る、いわゆるマックスタイプになる。
一方の転落抽選方式(型式DN)のほうは、大当り確率が1/300前後のミドルタイプで確変突入率が100%と、FNに比べるとなかなか遊びやすいゲーム性で登場した。
ただ、パチスロメーカーのパチンコ初参入機にしては、オーソドックスというか、パチンコに寄せた無難なスペックであるという印象も。
この『海童くん』がコナミアミューズメントのパチンコ初参入マシンとなるのだが、自分のところでは作っていない、つまり自社製品以外だと、これ以前にもパチンコ機をリリースしていたのである。
これは「OEM」と呼ばれるもので、他社ブランドの製品を製造することを意味する言葉だ。要は、中身はコナミアミューズメント(高砂・アビリット)が手がけたが、発売は他のメーカーの名前で出されているのだ。
「OEM」第1号機は『CRセブンレイ』
その第1号機は『CRセブンレイ』である。覚えているファンも多いだろう、ハンドルがバイクのそれになっている画期的なパチンコ機である。しかし、アクセルのように手首を返して打つと、手首が痛くなるし疲れるしで、なかなか苦労した。
人差し指と親指で輪っかを作り、そこにハンドルを入れて打つとか、ある程度ハンドルをひねったら親指を台方向に伸ばしてストッパー代わりにしたりと、どうにか疲れないように試行錯誤しながらハンドルを回していた記憶がある。
まあ、最終的にはハンドルのジョイント部分にプルタブとか薄くて硬い何かを詰めて……なんてことがあったとかなかったとか。
ちなみに、スペックは超普通。大当り確率が1/359.7のハイミドルで確変50%、確変終了後に100回転の時短付き。
『海童くん』の透過液晶もそうだが、コナミアミューズメント(高砂・アビリット)は、スペックやゲーム性よりもギミックや演出、仕掛けにこだわるようである。
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