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プロ連中が台を占拠、シマはまさに「お祭り状態」伝説の攻略法を目の当たりに…【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第20話:BARセット】

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プロ連中が台を占拠、シマはまさに「お祭り状態」伝説の攻略法を目の当たりに…【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第20話:BARセット】の画像1

第20話 BARセット

 前回は非常に怪しい「イブニングサービス」の話をしました。今でこそ遠隔操作を行うパチンコ店はほぼないと断言できますが(万が一にでも発覚した際には当該店のみならず経営会社の全ホールがペナルティの対象となるためリスクが高すぎる)、昔は…特に昭和の時代には、遵法精神に欠けるホール経営者が多かったのもまた事実です。まぁ、当時はプレイヤー側も非合法の裏モノを打つことに罪の意識なんて抱かなかったわけで、今から思えば業界全体が正気を失っていたような気がしてなりません。

 さて、今回は前回の続きです。できれば先にそちらからお読みください。

 先輩に「イブニングを取りに行くぞ!」と誘われて、●店に到着したのが午後7時の直前でした。先輩はドアロックもせずに小走りでホールの中に消え、私もその後を追おうとしたのだけど、パチスロのシマが妙な緊張感に包まれているのに気がつきました。

 設置されていたのはメーシー販売の1号機『トロピカーナ7』。それ自体は特にめずらしくありませんが、一見しただけでプロとわかる連中がトロピのシマを占拠し、しかも全員が頭上に何個ものドル箱を重ねていたんです。私はこれまで多くのホールを見てきましたが、これほど凄い出玉状況を見たことがありません。店の従業員は為す術なくコイン補給に走り回り、シマはまさに「お祭り状態」。通路の向こう側では店長さんらしきスーツ姿の男性が連中を見据えたまま仁王立ちしており、すでにひと揉めあったであろう事は容易に想像できる状況でした。

 あまりの凄さに呆然としていると、デジパチのシマに消えたはずの先輩が、いつの間にやら私の隣に立っていました。

「コイツら鹿児島弁を喋りよるぞ!」

 そう言われてみれば、確かに連中は大分訛りではありません。後で知ったことですが、彼らは鹿児島と宮崎からやってきた攻略プロで、このとき私が目撃したのは伝説として後世に語り継がれる「トロピのBARセット」だったんです。

 以下はその具体的な手順です。

①まずはREGを引くまで普通に打つ。自力で引かなければならないので、運が悪いとそれなりにハマる可能性もある。

②いわゆる「遅れ」が発生したら、左リールにプラム付きの7を狙う。この時、左下段に7が止まればビッグなので、そのまま中&右にも7を狙って揃える。

③それ以外の停止型となった場合はREGの可能性が大。REG成立ゲームでは必ず小役が同時成立しているため、ハサミ打ちで右リールに7付近を狙って小役をハズす。

④当該ゲームを含めて20G間は全ての小役を目押しでハズし、最大21G目にBARを揃えると、REG消化後にベル・オレンジ・チェリーのフラグが20回ずつ成立する。オレンジを必ずクロスで揃え、チェリーを全て連チェリーで取れば小役の払い出しだけで500枚以上を獲得できる。

 これがBARセット攻略の全てです。トロピにはボーナス成立後の当倍返し処理が20G間あり、この間に成立した小役を全て内部的にストックするため(20個を超えると強制的にクリアされる)、全ての小役フラグが成立している20G間にストックを溜め続けると、REG消化後に律儀にも全て払い出してくれる…ってことですね。

いまでは、教えてくれなかったことに感謝

 私はこの手順を、中津市のホールで知り合いになったプロのTさんから聞きました。もちろん、全てが終わったあとに…ですけどね。もう教えても良いだろうと言われて。

 てゆーか、教えてくれるなら使える内に教えろよと。まぁ、この手の傷ネタは実践中にトラブルが付き物だし、必ずケツ持ちのこわ~いお兄さんたちを伴って集団で抜くのが基本だったため、仮に私に手順を教えた場合、軽い気持ちで実践した私が海に沈められる可能性が高いから、身を案じて教えないでくれた…とTさんは言い張ってました。まぁ、傷ネタで捕まった時の怖さは、後に「サファリのBAR→7変換」で嫌と言うほど思い知ったので(同エピソードに関してはコラムの第13話をお読みください)、今では教えてくれなかったことに感謝してますけどね。

 なお、当然のことながら私は同手順を自分で試したことはありません。だって、Tさんが手順を教えてくれたのは対策機「トロピカーナ7X」が登場した後だもの。なので、細かい部分に誤りがあっても、私は責任を持てませんので悪しからず。それと、同エピソードは『枠上人生』という私の連載でも紹介してますが(パチスロ必勝ガイドMAXの1998年12月号~2005年12月号まで連載。現在は電子版の単行本でお求めいただけますのでぜひ!)、そちらでは「小役を17Gハズして18G目にBARを揃える」と書いてます。なぜならTさんにそう教えられたから。だけど、他の方に聞いたところによると、「小役を20Gハズして21G目にBARを揃える」が正しいとのことです。なので、この機会に訂正しておきますね。まぁ、この間違いにより実害を被った方は居ないと思うので、訂正するだけでお詫びはしませんけど(笑)。

プロ連中が台を占拠、シマはまさに「お祭り状態」伝説の攻略法を目の当たりに…【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第20話:BARセット】の画像2
メーシー販売の1.5号機『トロピカーナ7X』。全国のトロピカーナ7設置店に大打撃を与えた「BARセット」の対策プログラムを搭載しているが、それ以外に多くの攻略法が発覚したため(設定判別法、ビッグ480枚抜き、チェリー合わせ、BAR回しなど)、むしろ対策されて以降の方がプロの懐を潤わせたと言われている。ちなみに、トロピとの外見上の違いは下パネルの中央に貼られた「X」のシールのみ。当初は対策機と気づかないままBARセットを試して首を傾げる間抜けなプロも居たそうな。(写真は「パチスロ大図鑑2001/ガイドワークス刊」より)

 後日談…というか、今回のオチ。

 鹿児島から来た攻略プロ軍団に徹底的に抜かれた●店は、その日をもってトロピのシマを完全に閉鎖しました。もちろん、プロ軍団にとってもそんなのは想定内のことであり(そもそもBARセットの末期だったから徹底的に抜きにきた)、鹿児島から宮崎を経由して北上してきた彼らは、行く先々のトロピ設置店を荒らしながら、そのまま豊前を抜けて北九州に去って行ったとのことです。

 まさにイナゴの大群ですね。「ヒャッハ~!」と叫んでいたらすげぇ似合うと思います。

ドラゴン広石

ドラゴン広石

ドラゴン広石(昭和38年12月生まれ)
平成7年に白夜書房「パチンコ必勝ガイド」編集部の門を叩き、パチスロの知識と経験、目押し力を買われて「パチスロ必勝ガイド」のライターに採用された。リアルタイムで「パチスロ0号機」を遊技した経験を持つ、唯一のパチスロライターである。令和4年現在でライター歴は27年。代表作に「枠上人生」、「浮草家計簿」(連載中)、「回胴絶景」(連載中)など。1日の最大勝ち額~プラス41万3千円(クラブロデオT)、1日の最大負け額~マイナス12万9千円(初代・北斗の拳)。

Twitter:@dragon_hiroishi

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