カジノディーラー育成が本格化! カジノ解禁へ向けた動きがパチンコ産業へ与える影響とは?
カジノを含む「統合型リゾート(IR)」設立へ向かう動きが活発化し、日本カジノの誕生が現実味を帯びてきた状況。しかし実際の設置は「IR実施法」成立後となり、開業されるのは2020年東京五輪・パラリンピック後になる見通しと考えられている。
IR設立に関しては賛否両論だ。確かに「ギャンブル依存症患者の増加」や「治安悪化」の可能性があることは否定できない。しかしインバウンド観光の拡大を始めとした、さまざまな経済効果が期待できるなどメリットも存在している。実現に期待する声が上がっていることは事実だ。
ただ、カジノが開業された際に問題となるのは”人材”である。カジノにはゲーム(ルーレット・ブラックジャック・バカラ・ポーカー等)の進行役「カジノディーラー」が必要不可欠。「日本人ディーラー」の育成が求められてくる。
その需要に応えるべく生まれた養成所が存在。「カジノディーラー」の育成や派遣を推進するために、2015年に設立された「日本カジノ学院」だ。
「日本カジノ学院」では、プロの「カジノディーラー」が必要な基本的技術や知識を指導。国内外のカジノで活躍するディーラー育成に力を入れており、日本カジノの発展に影響を与える存在として話題になっていた。
その「日本カジノ学院」が5月中旬に大阪校を開校。IR建設の有力候補地ということもあり、多くの人間が注目していた。同校はディーラーの需要が高まると判断し開校を決めたと「大阪日日新聞」は報じている。
今後も福岡や横浜など全国各地に開校を予定。政府が制度検討を具体化する中で、「日本カジノ学院」は着実に準備を進めている。カジノ解禁に向けた動きの激しさに比例して、同校の存在感は大きくなっていきそうな気配だ。
逆に「マイナス」の影響を受けそうなのがパチンコ業界である。かつて30兆円に達した市場規模も、2015年のパチンコ・パチスロの市場規模は約23.2兆円にまで縮小したと「レジャー白書2016」で発表されている。
そのような状態のパチンコ業界にとって、カジノの存在が驚異になる可能性は否定できない。「遊技者減少」へ繋がり得るカジノによって、「業界の衰退に拍車がかかる」と囁かれているのだ。
ただ、パチンコホールの経営者の中には「競合相手ではない」「店の運営に影響はない」と危機感を抱いていない人間が多い。
確かに全国に約1万店舗存在するパチンコホールと違い、カジノは日本で数箇所にしか設立されないと考えられる。「いつでも・どこでも・気軽に」遊戯できるパチンコと、「遊べる場所が特定」されるカジノに交わる要素は少ないのかもしれない。
「一部の富裕層が楽しむ」イメージが強いカジノに対し、パチンコが学生から高年齢層まで「人を選ばない」遊戯である点も大きいのではないか。そのように考えればカジノの開設が、必ずしもパチンコ産業の衰退に繋がるとは言えないだろう。
ただパチンコ業界の市場規模が、年々縮小していることは事実。今後も規制が強まる可能性が高いことを考えれば、カジノの存在に関係なく「衰退」を止めることは容易ではなさそうだ。
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