パチスロお盆は勝てる!? ホールに転がる「お宝」を掴んだあの日……

　年末年始やお盆など大型連休は、パチンコ店にとって絶好の回収時期。ユーザーの間では、そのような認識が浸透しているものだ。

　勝手に人が集まるこの時期は、設定を入れなくとも高い稼働率を実現できる。大型連休時は「全台低設定もある」という考えを、大半のユーザーは持っているだろう。

　大々的な出玉イベントの告知が禁止されていることもあり、大型連休を「常連客の獲得期間」という考えるホールも増えているようだ。ただ全体的に見れば「渋い」という印象を拭い去ることは難しい。

　もちろん「大型連休時期だからこそ拾える」チャンスも存在している。普段は遊戯をしない人間も、多く足を運ぶこの時期。ユーザーのレベルが下がるのは必然であり、思わぬ”お宝台”が落ちていることも珍しくない。

　特に客が減りだす夕方付近のホールには、天井やゾーンが狙える台が落ちている可能性が高い。また高設定濃厚な台が、普通に捨てられることも十分にあり得る。

　いわゆる”ハイエナ”を、楽に成功できる可能性も上がるのだ。天井・ゾーン付近の台を拾うことができれば、展開によるが十分なプラスで終えることも夢ではない。高設定濃厚な台に関しては、拾えた時点で「勝ち確」と言えるのだ。

　私にも、そのような「ガッツポーズしてしまう」経験をしたことがある。『ミリオンゴッド～神々の凱旋～』が導入された2015年のお盆。あの日は朝から近隣の大型店で勝負し、目も当てられない状態になっていた。

　間違いなく低設定の『凱旋』に惨敗し、パチンコ『北斗の拳』に移動し追加投資をするも1度も当たりを引くことはできず……。財布の中身は、ほぼ空になってしまったのだ。

　その時点でやめておくべきである。ただ「取り返すことは無理でも、せめて1回だけでも当たりをみたい」という考えが生まれ始めてきた。最悪である。そのような行動を起こす時は、まず間違いなく返り討ちにあうものだが、欲望を抑えられなかった。「当たりを見ることができれば満足だ」そのように考え、遊パチコーナーへ向かったのである。

　ただ途中でホールの軸である『アナザーゴッドハーデス～奪われたZEUSver.～』のシマが目に止まる。現在は18時。昼間と比べて明らかに人が少ない。「お宝台が落ちているのでは？」そのように考えたのだ。

　さすがに低資金で天井を狙える台はないだろうが、ゾーンを狙える台が落ちている可能性はある。『ハーデス』であれば、400G・800G手前の台が落ちていればラッキーなのであるが……。

「マジか！ 380Gだ!!」まさかの展開に歓喜。ここまで理想的な台が落ちているなどデキすぎだ。あくまでも「HELL ZONE（ヘルゾーン）」に入る可能性が高いだけだが、大敗を喫している私にとって大きなチャンスであることは間違いない。神の贈り物だとしか思えなかった。

　結果として黄色「HELL ZONE」で難なく大当たりをゲット。待望の大当たりを引くことに成功したのだ。問題はここから伸びるか？ ジャッジメントで何が出てくるかで展開は大きく変わる。ただ、そのへんは気にしていなかった。どうせケルベロスが出てくると思っており、60Gが表示され上乗せなしで200枚ちょっとのコインをゲット。それでも満足だったのである。1Kで引けた大当たりは、私の心を十分に癒してくれたのだ。

　案の定ケルベロスが参上。ただ、この日の「ワンちゃん」は想像以上の活躍を見せる。派手な演出を決めて上乗せを実現。何と予想外の410Gをプレゼントしてくれたのだ。

「ありがてぇ」心からの叫びだった。マイナス分を考えればぜんぜん少ないが、十分である。待望の初当たりと約1000枚のメダルをプレゼントしてくれたケルベロスに心から感謝した。

　ただ私の「ガッツポーズしてしまう」経験は、これだけでは終わらなかった。本番は、この後にやって来たのである。

　順調に410Gを消化した後に、数ゲームで大当たりをゲット。そこで出てきたのがハーデスである。このハーデスが暴れてくれた。コンボフリーズを次々に成功させる活躍で、800Gをプレゼントしてくれたのだ。

　その後も上乗せなどで、獲得枚数を順調に増やし続ける展開。最後はGODも降臨し、あの超マイナス収支をまくってくれたのである。ここまでの大逆転は経験したことがない。もはや神がかったヒキのおかげではあるが「380G捨て」がなければ、この奇跡的な大逆転は起き得なかった。

　あれから一度として大型連休中に「良い思い」をしたことはないが、お盆だからこそ得られた「お宝」であったと私は信じている。
（文＝デニス坂本）