パチスロ「出玉規制」で”5円スロ”存亡の危機…… 増台希望率「5%以下」ネガティブ思考に陥る明確な理由

 ノーマルタイプやART機など、数十種類ものスペックが存在するパチスロ。持ち合わせの金額に応じて、その日の機種タイプを選択するユーザーは多い。なかには「○○を打ちたいけど軍資金が……」と頭を悩ませる人も当然ながらいるだろう。

 しかし、その悩みを解決する有効的な手段がパチンコ店には存在する。それが、従来のレートよりも低い軍資金で遊技できる「低貸」と呼ばれるものだ。

 本来、パチスロは「1枚20円」(以下、20円スロット)で遊べる。1000円で50枚のメダルを借りることができるが、消えるスピードはほんの数分だ。

 また、大当たりすることなく1時間遊技した場合、コイン持ち「現行機最低レベル」のAT機『ミリオンゴッド 神々の凱旋』『沖ドキ!』では、約3万円に相当するメダルが機械に吸い込まれる。そのため、軍資金によっては「20円スロット」を敬遠せざるを得ないのだ。

 では、低貸の場合はどうか。比較的多く見られる「5円スロット」の場合、その名の通り「1枚5円」でメダルを借りることができ、枚数に換算すると「20円スロット」の4倍にあたる200枚。投資スピードは「20円スロット」と比べ「1/4」となり、より長く遊べることが可能となる。

 このような営業形態を取るパチンコ店が年々増加する昨今。「20円スロット」を主流としていたホールでさえ規模は小さいながらも「5円スロット」を導入する所は多々あるのだ。

「2004年から普及し始めたとされる『低貸』はユーザーの減少傾向に対応しようと、業界内で活発化したことが始まりのようです。

射幸性を求めるユーザーは多いですが、手軽に安く遊びたいと思う人は当然いますよね。実際、低貸コーナーの稼働率は高い印象。なかには『20円スロット』を設置していない『低貸専門店』もありますよ」(記者)

 確かに「低貸」の稼働状況を見る限り、ユーザーからの需要の高さが顕著に現れているが、パチンコホールは「低貸」の運用方法に難色を示しているようだ。業界ニュースサイト「遊技日本」(近畿出版社)が報じた「パチンコ業界における景気動向」の数値が明確に表している。

「記事によれば、パチンコ企業が回答した新規則『6号機』に対する期待や運用の他、『遊技料金毎の台数増減』に関するアンケート結果も報じています。

なんでも『現状維持』で最も高いのは『4円パチンコ』の77.4%、最も低かったのが『低貸メダルパチスロ』の63.9%、さらに『増やす』で最も高かったのは「20円パチスロ」で27.4%、最も低かったのは『低貸パチスロ』で4.9%とのこと。低貸が最も低い数値だったようですね。

『低貸』をこのまま維持するホールは過半数を超えているようですが、増台を考えるホールはわずか”1ケタ”……。少なくとも『低貸』に対してポジティブではないことが分かります」(同)

 レートの高さに応じて売上が変わるパチンコ店にとって「低貸」は、あくまでユーザーを呼び寄せる手段と考えられる。さらに、先行き不透明な「6号機」が今後導入されることを踏まえれば、当然ながら前向きにはなれないだろう。

 老若男女問わず愛される「低貸」の行く末はどうなるのか。業界全体で撤去が進めば、遊技人口のさらなる減少を招きそうだが……。
(文=編集部)

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