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JRAロードカナロア、サクラバクシンオーでもない「歴代最速」はあの馬!? 不滅のレコード保持者カルストンライトオが最速である理由

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「歴代最速」はどの馬か――。

 31日に新潟競馬場で行われる、日本唯一の直線1000m重賞アイビスサマーダッシュ(G3)。真夏の名物レースとして、このレースが他の重賞レースよりも一際注目を浴びるのは、単純な賞金や、サマースプリントシリーズといった名誉が争われるだけでなく「純粋に『最速』は誰か決められる」からといえるのではないだろうか。

 なにせスタートからゴールまで1つのコーナーもなく、何の障害もない。言い訳が利かないので「純粋に誰が一番速いのか」が極めて明確に示される。人間でいえば、陸上競技の花形100m競走のようなものだ。

 競馬ファンの間で「歴代最速の馬は?」という話になると、時代を彩った様々なスピード自慢が出てくるだろう。ロードカナロア、サクラバクシンオー……はたまたタイキシャトルやニホンピロウイナーといった伝説級のスピード馬の名を挙げる人もいるかもしれない。

 ただ、これが「歴代最強スプリンターは?」という話なら異論はない。だが、語弊はあるかもしれないが、あくまで今回のテーマは「歴代最速の馬」である。

 となれば、やはり冒頭で触れたアイビスサマーダッシュで活躍した馬を考慮しないわけにはいかない。G3だが「直線レースの頂点」という意味では、各カテゴリーの頂点を決めるG1と同様の意義を持つからだ。

 先述したスピード馬は間違いなく、いずれも史上最強クラスだ。だが、だからといって「極限のスピードを競う新潟直線1000m」で、本来のパフォーマンスが十分に発揮されるとは限らない。

 その上で、筆者が「歴代最速の馬」として筆頭候補に考えるのは、2002年と2004年のアイビスサマーダッシュを制したカルストンライトオだ。

不滅のレコード

 

 2004年のスプリンターズS(G1)を制しているように、1200mでもG1級の強さを誇ったカルストンライトオ。だが、こと新潟の直線1000mになると、そのパフォーマンスは「歴代最強クラス」に跳ね上がる。

 2004年のアイビスサマーダッシュでつけた3馬身差は、今年で22回目になるこのレースの「最大着差」となるが、それよりも圧巻なのが初制覇となった2002年の内容だ。

 着差こそ2馬身だったが、それは2着のブレイクタイムも強かっただけで3着以下には、5馬身以上の開きがあった。着差がつき難い短距離で、これだけの着差はそうそう見られるものではないが、それも無理はない。

 その時カルストンライトオが叩きだした53.7秒というレコードは、未だ破られていないのだから。

 しかも当時のアイビスサマーダッシュは現行のような開幕週ではなかっただけに、カルストンライトオの記録したレコードタイムはなおさら価値が高い。

「速さ」を求めて、日々進化するのが競馬だ。その上で開幕週の開催となった2006年から毎年のように直線1000mに懸ける馬たちが集うアイビスサマーダッシュで、カルストンライトオのレコードタイムが未だ破られていないというのは、このタイムを「伝説」と言っても決して大げさではないということだ。

「カルストンライトオの父ウォーニングは12歳の時に日本に輸入されましたが、欧州に残してきた産駒の中にも、直線G1のモーリスドギース賞を制したディクタットや、ナンソープSを勝ったピッコロなど、直線競馬に強いスプリンターを輩出しています。カルストンライトオも、そういった父の特徴を受け継いでいたのかもしれませんね」(競馬記者)

 これは余談になるが、カルストンライトオが唯一直線1000mで敗れたのが、3度目の挑戦となった2005年のアイビスサマーダッシュ(4着)である。だが、この時にカルストンライトオが背負っていた斤量は「59㎏」だった。

 ちなみに歴代のアイビスサマーダッシュで斤量57㎏以上で掲示板に載ったのは、カルストンライトオを除くと2008年のシンボリグラン(57kg)、そして現役千直王のライオンボス(57kgで2回)だけ。

 この事実を見るだけで、極限のスピードを競うアイビスサマーダッシュが如何に軽量馬に有利なのかが理解できる。それは裏を返せば、カルストンライトオの59㎏を背負っての4着は、この馬の直線1000mの強さを際立たせているといえるだろう。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

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