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「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声

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「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声の画像1
撮影:Ruriko.I

 デビュー年から女性騎手の記録を多数塗り替えてブレイクした今村聖奈騎手、5年目の若手ながら、早くも全国リーディング上位の常連となりつつある岩田望来騎手。いずれも注目を集める有望株であるが、両者の快進撃を裏で支えているのは、腕利きエージェントの存在だ。

 エージェント、いわゆる騎乗依頼仲介者とは「競走に関し、騎手が馬主又は調教師から騎乗依頼を受けるにあたり、騎手本人に代わりその受付を行う者」を指す。レースにおける騎乗馬と騎手の割合が一般的に「7:3」と言われているように、いくら腕利きの騎手が騎乗したとしても肝心の騎乗馬の能力が足りていなければ、勝つことはほぼ不可能に近い。

 逆の意味では、馬の能力が抜けてさえいれば、実力で見劣る騎手がトップジョッキーを負かすことも珍しいことではない。勿論、トップクラスの騎手が勝ち負けを期待される馬に騎乗すれば、それだけ力通りの決着になりやすい訳だ。先述の今村騎手や岩田望騎手にしても、手腕が伴っているからこそ、好成績に繋がっているといえるだろう。

 実際、彼らが同期のライバルを勝ち鞍でリードした背景には、両者のエージェントを務める小原靖博氏の力添えが大きい。同氏は岩田康誠騎手も担当しているが、かつては福永祐一騎手(現調教師)のエージェントも兼任していた人物だ。

一部のファンから「小原軍団」といわれるほど、多くの有力馬を揃えている小原氏に担当してもらえれば、勝てる馬に騎乗するチャンスが増えることを意味する。少し前には、福永騎手の引退で小原氏の担当枠に空きが出たため、以前担当してもらっていた川田将雅騎手が興味を示していたという噂も流れたほどだったが、つい最近になって新たに担当する騎手が決まったようだ。

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西塚洸二騎手 撮影:Ruriko.I

 引く手あまたの小原氏だけに、おそらくトップジョッキーの誰かだろうと思いきや、選ばれたのは、意外にも関東の若手・西塚洸二騎手。デビュー2年目の同騎手は、既にブレイクした今村騎手や角田大河騎手と同期だが、これまで特に関係性の見られなかった小原氏との繋がりは、どのような経緯で生じたのだろうか。

「聞くところによると、どうやら藤原英昭調教師が関係しているようです。桜花賞(G1)の開催日に西塚騎手が藤原英厩舎の馬で勝利を挙げていたように、最近になって急接近しています。既に厩舎に所属している馬の調教にも参加し、レース当日もテキから返し馬やレースに関して細部に渡って指示が出されていましたよ。西塚騎手も相当緊張した面持ちでしたが、しっかりと結果を出しましたね」(競馬記者)

 まだまだ知名度の低い西塚騎手だが、デビュー時にはニュージーランド出身の乗馬経験者ということもあり、新人にしては馬乗りの技術も確かだと関係者から評価される有望株だった。エージェントも関東の重鎮である武山修司氏が担当していたため、ダークホース的な存在と見ていた関係者もいたようだが、年間通じて10勝と振るわなかった。

「いわゆる“素行不良”が原因で関係者からの信頼を失って、騎乗依頼が激減してしまったことが、伸び悩んだ最大の理由でしょう。詳しい内容は話せませんが、師匠の鹿戸雄一調教師に自主謹慎を言い渡されるほどだったみたいですよ。ただ、そんな西塚騎手に救いの手を差し伸べたのが、騎乗技術に確かなモノがあると感じていた藤原英先生でした。シャフリヤールでダービー制覇するなど、福永騎手があれだけ活躍できたのも、面倒見のいい親分肌である関西の大御所の力が大きかったと言われています。

岩田望騎手の成長もそうですし、昨春は藤田菜七子騎手にもイチから基礎を教えていましたね。西塚騎手と同期にあたる鷲頭虎太騎手もチーム藤原の一員に加えるなど、以前から人材育成に力を入れている人です。藤原英先生も『ウチでふざけた言動をしたらタダじゃ済まない!』と話していたそうで、西塚騎手を心身の両面から叩き直すようです。当面はローカルを中心に騎乗する予定ですが、今後は先週のように主開催にスポットで参戦する可能性もあるでしょう」(同)

 また関係者の話によると、小原氏との関係も武山氏からの紹介だったらしく、期間に関しては未定ということで、継続の有無は今後の本人の努力、活躍次第となりそうだ。

 一時は素行不良で干された若手を更生するにしては、異例ともいえる優遇措置。苦境に立たされていた西塚騎手にとっては、関西の名門厩舎と誰もが羨むエージェントに担当してもらえる非常に恵まれた環境が整った。普通ならほぼ成功を約束された状況となる西塚騎手だが、これからどのような成長を見せてくれるだろうか。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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