武豊「こんな馬ではない」アルテヴェローチェ不完全燃焼!レースレベルに疑問残るも…川田将雅「4コーナーで勝つと思いました」の明暗

15日、京都競馬場で行われた朝日杯フューチュリティS(G1)は、川田将雅騎手が騎乗した5番人気アドマイヤズームが2着ミュージアムマイルに2馬身半の差をつけて優勝。2歳マイルチャンプに名乗りを上げた。
鞍上の完璧なエスコートも光った。逃げたダイシンラーと横山典弘騎手が刻んだラップは前半6F35秒4の超スロー。2番手から積極策で追走したアドマイヤズームに上がり最速33秒6を使われては後続馬になす術はなかった。
川田騎手もレース後のコメントで「4コーナーで勝つと思いました」と振り返ったほどのワンサイドゲーム。未勝利戦から朝日杯FSを制したケースは2020年グレナディアガーズ以来4年ぶりで、このときも川田騎手の騎乗だった。また、アドマイヤの冠名を持つ馬のG1勝利も2018年アドマイヤマーズ以来となった。
アルテヴェローチェの武豊は「こんな馬ではない」
また、5番人気で初重賞とG1制覇を成し遂げたアドマイヤズームに対し、1番人気に支持された武豊騎手とアルテヴェローチェのコンビは不完全燃焼の5着。プラス14キロの馬体も影響したのか、ラストでも切れる脚を使えなかった。これには武豊騎手も「こんな馬ではないのですが……」と首をかしげるよりなかったか。
「中間の稽古でも好時計をマークしていましたし、そこまで気にしていなかったのですが、イレ込みはきつかったです。好スタートを決めて好位からの競馬で抜け出すのかと思いきや、道中でズルズルとポジションを悪くしてしまい、最後の直線ですでに敗戦もやむなしといった雰囲気でした。
まだ好位で伸びきれずに負けるなら納得できるのですが、武豊騎手の判断は賛否が分かれるかもしれません。折り合いに専念して下がったように見えますが、いずれにしても勝ち負けまではイメージしにくい負け方でもありましたね」(競馬記者)
前後半3Fも35秒4-33秒7だったように、「行った行った」の決着となった今年の朝日杯FSだが、勝ち馬の強さが際立った一方でレースレベルには疑問が残った。
というのも同じマイルG1の阪神ジュベナイルF(G1)の勝ちタイムは1分33秒4で朝日杯FSのそれは1分34秒1と0秒7も遅い。前日に行われた土曜京都の2勝クラス(芝1600m)も朝日杯FSより0秒1速い1分34秒0で決着していただけに、G1レースとしては少々物足りなさの残る結果かもしれない。
その一方で同じ2歳G1でも今年のホープフルS(G1)は、なかなかの好メンバーで争われそうだ。
阪神JFを優勝したアルマヴェローチェを札幌2歳S(G3)で破ったマジックサンズ、24キロ増の東京スポーツ杯2歳S(G2)を快勝したクロワデュノール、その東スポ杯の勝ち時計1分46秒8より1秒速い1分45秒8でアイビーS(L)を制したマスカレードボールが参戦を予定している。今年は朝日杯FS組よりこちらが上か。
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