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JRA「一寸先は闇」のような勢力図の激変…注目集めた若手同期の明と暗、あの「お騒がせ騎手」が佐々木大輔に続くブレイク?
![今村聖奈騎手 撮影:Ruriko.I](/wp-content/uploads/2023/10/Ruriko.I_20220626_imamuraseina_160.jpeg)
2年前にデビューした新人騎手は栗田伸一(1979年)、福永祐一(1996年)に続く史上3人目となるデビュー2連勝を決めた角田大河、CBC賞(G3)で女性ルーキー史上初の重賞初騎乗Vの今村聖奈の活躍に大きな注目が集まった。
快進撃の続いた今村騎手は、当時デビュー4年目の藤田菜七子騎手が2019年にマークしたJRA女性騎手年間最多勝記録(43勝)を更新。最終的にJRA51勝(地方含め55勝)を挙げ、最多勝利新人騎手賞も受賞した。当時の彼女が新時代到来を告げるニューヒロインとして期待されたのも当然だった。
スマートフォン不適切使用の発覚から勢力図に変化が
しかし、昨年5月に発覚したスマートフォン不適切使用の一件で潮目が変わった。関与したデビュー3年目までの複数の騎手に30日間の騎乗停止処分が下され、競馬界に激震が走った。
もちろん、処分の対象となった騎手たちも深く反省し、ひとつ上の世代の永島まなみ騎手や一つ下の世代の小林美駒騎手のように成績を伸ばした者もいた一方で、2022年にデビューした世代を牽引していた角田河騎手と今村騎手は勝ち星が伸び悩んでいる。飛ぶ鳥を落とす勢いでブレイクした両者の淋しい成績は、まさに「一寸先は闇」といえる状況である。
![佐々木大輔騎手 撮影:Ruriko.I](/wp-content/uploads/2023/10/Ruriko.I_20221228_sasakidaisuke_205.jpeg)
そんな彼らを尻目に頭角を現したのが同期の佐々木大輔騎手だ。
デビュー年は51勝の今村騎手や36勝の角田河騎手に大きく後れを取る9勝に留まったが、昨年になって68勝の大躍進。前年に圧倒的大差をつけられた2人を逆転し、全国リーディングでも12位に食い込む存在感を見せた。関西に比べて若手騎手にチャンスが少ないと噂される関東で、ここまで成績を伸ばしたのは本人の努力の賜物といえるだろう。
佐々木騎手の好調は今年も続いており、先週末の開催を終えた時点で16勝を挙げてリーディング20位。2月小倉で落馬負傷による戦線離脱を挟んだことを考えると、十分に評価できる内容だったのではないか。
関東を騒がせた西塚洸二騎手もブレイクの予感?
![西塚洸二騎手 撮影:Ruriko.I](/wp-content/uploads/2023/10/Ruriko.I_20220605_nishizukakouji_208.jpeg)
このまま佐々木騎手の独走状態になりそうな雰囲気もあったのだが、実はもう一人、密かに成績を伸ばし続けているライバルも登場した。それが、24日付で美浦から栗東に所属変更と発表のあった西塚洸二騎手(20歳・フリー)である。
勝利数においても16勝の佐々木騎手に次ぐ15勝。彼もまたデビュー年に10勝→2年目に15勝を挙げて3年目の今年は、すでに昨年の年間勝利数に並ぶ勝ち星をマークした。数字的な側面では、「今村・角田河世代」から「佐々木・西塚世代」へと勢力図が激変したといえるかもしれない。
ただ、ブレイクを予感させる西塚騎手だが、ここまでには紆余曲折もあった。
「正直、半信半疑でしたけど栗東の環境も西塚騎手に合っているんでしょうね。過去にも採り上げたことがありましたが、元々は美浦の鹿戸雄一厩舎に所属していた騎手です。乗れる若手として期待されていましたが、“素行不良”で乗鞍に恵まれない時期もありました。
幸いにも栗東の藤原英昭調教師に目を掛けてもらい、師匠の鹿戸先生に恩を仇で返すような格好で拠点を移しました。今回の所属変更についても形式上のもので、事実上の栗東所属だった訳ですから違和感はないですね」(競馬記者)
とはいえ、これまでの経緯はどうであれ、西塚騎手がこうして結果を残していることについては本人の努力が実を結んだといえる。勢いに翳りの見え始めた今村騎手や角田河騎手にしても、このままでは終われない。真摯な姿勢で関係者の信頼を取り戻せば、西塚騎手のように再浮上のチャンスも訪れるはずだ。
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