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天皇賞・秋(G1)激走パンサラッサに「鼻高々」藤田伸二と「平謝り」田原成貴

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撮影:Ruriko.I

 月曜夜、JRAで通算1918勝を挙げた元騎手の藤田伸二氏が自身のYouTube『藤田伸二チャンネル』で天皇賞・秋(G1)を回顧。約25分間という限られた時間だったが、一時は1500人に迫った視聴者に向けて独自の視点で解説を行った。

 ファンも注目した2週間ぶりの生配信。藤田氏が勝者イクイノックス以上に時間を割いたのは、2着に逃げ粘ったパンサラッサ(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)だった。

 実は、藤田氏は先週木曜日に自身のTwitterで名前を挙げていたのが、イクイノックスでもシャフリヤールでもなく、伏兵パンサラッサだった。

「パンサラッサの豊 ええ枠引いたな? 今回は楽に逃げれるから強みだな?」(原文ママ)

 枠順が確定した直後のツイートにはファンから様々な反応があった。普段なら藤田氏の意見に同調するファンがほとんどだが、このツイートに対しては、懐疑的な意見も少なくなかった。

「バビットとジャックドールという同型脚質の馬がいたこと、そして近2走は自身の出脚が鈍かったこともあって、本当にパンサラッサが楽に逃げられるかどうかを懸念する声が目立っていましたね」(競馬誌ライター)

激走パンサラッサに「鼻高々」

 ところが、好スタートを切ったパンサラッサは、“絶好”3番枠を生かして予想以上にすんなりとハナへ。向正面で後続を引き離し、1000m通過57秒4の大逃げを打った。直線を向いたときは、セーフティーリードを奪い、そのまま逃げ切るかと思われたが、ゴール寸前でイクイノックスの強襲に屈した。

 パンサラッサは敗れたとはいえ、7番人気まで評価を落としての2着。レース3日前のツイートが“的中”した形となり、藤田氏は生配信でも鼻高々にパンサラッサの激走を解説していた。

「ただ藤田氏の本命は別の馬だったようです。最後まで迷った末にパンサラッサではなくジャックドールを本命にしたと動画内で明かしていました。それでもパンサラッサの単勝馬券は買っていたとのことなので非常に惜しかったですね」(同)

 一方で、優勝したイクイノックスを自信の大本命に抜擢していたのが、同じく元騎手の田原成貴氏である。恒例となった『東スポレースチャンネル』の展開予想とライブ予想会の動画内でイクイノックスの素質を高く評価。レースではなんと4角手前で勝利を確信したという。

 田原氏の予想通り、イクイノックスは直線で自慢の末脚を発揮。キャリア5戦目で天皇賞・秋制覇という偉業を成し遂げ、馬券は的中しかたと思われたが……。

「田原氏はパンサラッサを軽視していました。藤田氏とは逆に内目の枠に入ったことが仇になるとみていましたが、戦前の危惧を問題にしませんでしたね」(同)

 レース当日の夜に生配信されたライブ反省会では、「皆さん、すいません」と第一声を上げると、展開予想でパンサラッサを軽視したことを潔く謝罪。「田原の予想を信じて、パンサ切ったらこれだよ」という視聴者の声が紹介されると、「申し訳ない」と平謝りするしかなかった。

 現役時代はともに一流騎手として切磋琢磨した藤田氏と田原氏。今はともにYouTubeなどを通じてファンに競馬の楽しさを伝える側に回っている。

 同じ元騎手でも見解が同じ時もあれば異なる時もある。今はそれぞれの動画を見比べることしかできないが、近い将来、2人のコラボ実現を待ち望むファンも少なくはない。

中川大河

中川大河

競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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