M.デムーロ

日本競馬が好き過ぎて2015年からJRAの所属騎手となった外国人コンビの片割れ。ボケ担当(性格的にボケしかできないので、相方のC.ルメール騎手が仕方なくツッコミに)で納豆好き。情熱的なイタリア人らしく、恋人がコロコロ変わるのは人も馬も同じらしい。

ちなみに今の恋人は桜花賞馬のジュエラー。もちろん、馬の方である。最近エリザベス女王杯を制したクイーンズリングに心が揺らぎ始めているのは、ここだけの話だ。

2002年に初来日を果たしたルメール騎手に先んじて、短期免許での来日は1999年から。2001年には重賞初制覇、翌年にはネオユニヴァースで皐月賞を勝ち、日本でのG1初制覇を果たす。こういった順調なところが「イマイチ勝ち切れない男」のルメール騎手とは対照的に「勝ち切れる男」と呼ばれる由縁だ。ただし、性格的にも騎乗的にも”ムラ”は大きい。

今や通年で活躍するこのコンビが大レースでワン・ツーを飾ることも珍しくないが、大半が1着デムーロ騎手、2着ルメール騎手である。

日本競馬にも数多くの「伝説」を作っている名手だが、中でも代表的なのが2003年にネオユニヴァースで皐月賞と日本ダービーの春2冠を達成した際だ。

短期免許の期間が切れていたため、3冠を達成するためにJRAに「同一馬で1年間にG1を2勝以上すれば、その馬が同年にG1に参戦する際に騎乗を認める」という、めちゃくちゃ強引な”特例”を作らせている。その上で見事に負ける辺りが「空気が読めない男」と言われる所以だ。

さらに東日本大震災があった2011年の春、ネオユニヴァースの息子ヴィクトワールピサでドバイワールドカップを勝ち世界の頂点になった際は「I love Japan!」と叫びながら感極まって号泣。気持ちはありがたいが、とにかく暑苦しい男である。

また、天皇・皇后両陛下が観戦される”天覧競馬”となった2012年の天皇賞・秋を優勝した際は、下馬して右膝を着いたまま左手を胸に当て両陛下に向かって最敬礼。その様はまるで西洋の騎士のようで、東京競馬場は大歓声に包まれた。

空気が読めず、暑苦しいが、とにかく日本を愛してやまない人物である。

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