エアスピネル

いつも全力で走り武豊騎手も完璧な騎乗をするので、負けた時の絶望感は人一倍ならぬ”馬一倍”。いつも安定して力を発揮するので、この馬に勝った馬が一流馬という趣もある。

母エアメサイアが秋華賞馬という紛れもない良血馬。その素質は2歳時から如何なく発揮され、主戦の武豊騎手を背に単勝1.9倍で臨んだ新馬戦を完勝。続くデイリー杯2歳S(G2)では小倉2歳S(G3)を楽勝していたシュウジを子供扱いしている。

その競馬ぶりが評価され、単勝1.5倍の断トツ人気で挑んだ朝日杯フューチュリティS(G1)は、武豊のJRA全G1制覇が懸かった一戦となった。横綱相撲を展開したエアスピネルは最後の直線で堂々と抜け出したが、最後の最後でシーザリオの仔リオンディーズの強襲に遭って2着。母エアメサイアもオークス(G1)でシーザリオの強襲に屈しており、武豊は「そこまでお母さんに似なくていいのにね」と天を仰いだという。

その後、期待されながらも「生まれた年が悪かった」という主戦の言葉通り、皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)ともに4着と今一歩のレースが続く。迎えた秋初戦の神戸新聞杯(G2)では初めて格下の馬に先着される5着と瀬戸際のまま菊花賞を迎えたが、距離不安を覆して3着に好走している。一体、どこがベスト距離なのかわからないが、とりあえず来年からは中距離路線を歩むようだ。

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