ヴィブロス

ヴィクトリアマイル(G1)を連覇したヴィルシーナの全妹。オーナーは元プロ野球横浜ベイスターズやシアトル・マリナーズで活躍した「大魔神」こと佐々木主浩氏。姉のヴィルシーナや、阪神大賞典(G2)を勝った半兄シュヴァルグランの馬主でもある。もともと引きの強い馬主だが、本馬の兄弟同様、名前に「ヴ」のつく馬はとことん走るようだ。

不幸にも三冠牝馬ジェンティルドンナと同世代だった姉は、牝馬クラシックすべてで2着の涙を飲み続け「準三冠馬」という不名誉な記録を持っている。しかし、その妹となる本馬は奥手の傾向にあって、2歳11月に未勝利戦を勝ち上がったもののチューリップ賞(G3)では12着に大敗。その後、フラワーC(G3)でも12着大敗といい所なく3歳春シーズンを終えた。ここまでは完全にダメな妹である。

きっかけとなったのは、福永祐一騎手との出会い。夏に復帰したヴィブロスは自己条件(500万下)を4馬身差で勝利。その勝ちっぷりが評価され3番人気に推された紫苑S(G3)では、大きな不利がありながらも2着に好走し、秋華賞(G1)の切符を掴んだ。

主役のシンハライトが故障離脱したため、混戦模様となった秋華賞。3番人気のヴィブロスは、中団から上がり最速となる末脚を繰り出して見事G1制覇。ヴィルシーナがハナ差で敗れた舞台で、姉の雪辱を晴らした。

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