スマートオーディン
父と同様に凄まじいキレを持っているが、父と同様危うい脚元も持っている。数々の名馬を故障引退に追い込み、クラッシャーの異名を持つ松田国英厩舎から池江泰寿厩舎へ転厩後に脚部不安を発症した際は「クラッシャーの呪い」と騒がれた。蓄積された筋肉疲労は転厩しても解消されずに”爆弾”としてついてきたということだろうか。
NHKマイルC(G1)を勝った父ダノンシャンティの初年度産駒。母レディアップステージはアイルランドの重賞馬。オペラ賞(仏G1)3着などの実績がある。2歳9月のデビュー戦を快勝し、続く萩S(OP)でも2着と素質の高さをうかがわせていたが、本領発揮は3戦目の東京スポーツ杯2歳S(G3)から。
レースでは結果的には出遅れたことが功を奏して、上がり3ハロン32.9秒という2歳馬離れした末脚で重賞初制覇。以後、父を彷彿させるような豪脚がスマートオーディンの最大の武器となるが、同時に父同様、いつ故障するのかも心配の種になっていた。迎えた3歳初戦の共同通信杯(G3)では、雨の影響もあってか末脚が不発。後の皐月賞馬ディーマジェスティに完敗を喫して6着に敗れている。
しかし、戸崎圭太騎手を新パートナーに迎えて挑んだ毎日杯(G3)、京都新聞杯(G2)では持ち前の豪脚が復活。重賞連勝を飾って、日本ダービー(G1)に乗り込んだ。
世代の頂上決戦では、後方から末脚を発揮するも6着。その後、父を管理した松田国英厩舎から池江泰寿厩舎へ転厩し秋に備えていたが、9月に脚部不安を発症した。気の毒だが、案の定であった。