「日本競馬はイージー」!? ”ハンデ”あっても強すぎ「外人騎手」2人に、日本人騎手は……
C.ルメール騎手(wikipedia)これでは、日本人ジョッキーの立場などまるでないではないか。
今年の中央競馬も残り2ヶ月となり、すでに菊花賞、天皇賞・秋などビッグレースが開催された。今後はジャパンカップ、有馬記念など、国内最高レベルのレースとともに2015年の日本競馬はクライマックスを迎えるわけだが、気になるのは「リーディングジョッキー」争いだ。
現在、リーディング1位は121勝の福永祐一(落馬負傷で年内絶望)、2位には地方・大井競馬から移籍して3年目の戸崎圭太が103勝となっており、乗鞍にも恵まれて、危なげないレース運びのできる2人がトップを走っているのだが、問題は現在3位の騎手だ。
イタリアのトップジョッキーで、今年から史上初の「JRA所属の外国人騎手」として活躍するミルコ・デムーロが、99勝で現在リーディング3位。同じくフランスで活躍するクリストフ・ルメールも、今年からJRA騎手としてのキャリアをスタートさせており、現在88勝、リーディング8位と十分な成績を残している。
もともと日本には短期免許でよく訪れていた2人。デムーロは2003年、ネオユニヴァースで皐月賞・日本ダービーの「2冠」や、2012年、天皇賞・秋をエイシンフラッシュで勝利した際の天皇・皇后両陛下への「最敬礼」などで広く知られる人気者。ルメールは海外での実績でいえばデムーロよりもはるかに上。2005年の有馬記念でハーツクライにまたがり、あのディープインパクトに初めて土をつける好騎乗を見せつけたことが有名だ。
2人とも親日家で、日本でのレースに対する気合いのノリ具合は半端ではない。デムーロにいたっては「ずっと日本で乗りたい」とも語っているほどである。これまでの活躍や実力を考えればこの成績にも特に驚きはないのだが、このままでは「やはり外国人騎手のほうが上」と、誰もが認めざるを得ない”現状”がある。
「デムーロがJRA騎手として騎乗を開始したのは、今年の3月。つまりリーディング争いで『2ヵ月』のハンディがあるんです。ルメールは2月に『調整ルームTwitter使用』事件でデビューが4月に遅れましたから、そのハンディは『3カ月』にもなる。にもかかわらず、デムーロはもう100勝に手が届く寸前で、トップの福永祐一が負傷で離脱したために、初年度からリーディングジョッキーの称号を得る可能性すら出てきました。ルメールも問題なく100勝を超えるでしょう。いい馬を多くあてがわれているのは間違いありませんが、それは上位騎手ならみな同じ。あっという間に抜き去られた日本人騎手は少し情けなく映りますね」(競馬記者)
9月に引退を発表した藤田伸二騎手が、自身の著書『騎手の一分』(講談社現代新書)で「外国人騎手の全てがうまいわけではない」という考えを示しているが、この2人は例外なのだろうか。いくつもレースを見ていると、2人と日本人騎手の差も少しずつ見えてくると記者は語る。
「ルメールは中団のポジションを確保して、日本人がなかなかやらないインコースから鋭く抜け出すレースが多い。JRA移籍後も、何度も人気薄の馬をこの”イン突き”で馬券圏内に持ってきています。レースの流れを読む力、進路どりの上手さは別格です。デムーロは、今年ドゥラメンテで2度目のクラシック2冠を達成したように大舞台での強さが印象的ですが、馬の力を最大限に引き出す『仕掛けのタイミング』が抜群にいい。後方から一気に抜き去るレースが多いのも、彼の仕掛けの上手さがあってこそだと思います。本場の欧州はポジションの取り合いが非常に激しいですから、”安全第一”で各馬が間隔を空ける日本競馬は、やりやすいでしょうね(笑)」
以前、ルメールは取材で、日本競馬に関し「(海外と比べると)イージー」という言葉も残している。この2人は今年の日本競馬界を席巻しているが、彼らですら現在の欧州競馬では思うような活躍ができないというのだから、やはり「騎手レベルが違う」と結論づけるしかないのだろうか。
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