
「香港最強馬」ゴールデンシックスティがついに襲来!? 女王グランアレグリア不在の安田記念(G1)出走に現実味
23日、香港のシャティン競馬場で行われたスチュワーズC(G1)は、3番人気のワイククが早め先頭から後続の追撃を凌いで優勝。2年ぶりに同レースを勝利し、嬉しいG1・3勝目を挙げた。
その一方、歴史的偉業が懸かった大事なレースで手痛い敗北を喫してしまったのが、現地で単勝1.1倍という断然人気に推されていたゴールデンシックスティ(セ6歳、香港・K.ルイ厩舎)だ。
2019年9月1日の条件戦勝ちから数えること「16戦」。その間、ゴールデンシックスティは、向かうところ敵なしの連勝街道を突き進んでいた。
20年に7連勝で香港4歳三冠馬へ輝くと、半年後に当時の香港で総大将格だったビューティージェネレーション相手に完勝。その後、アドマイヤマーズら日本馬含む海外勢を香港マイル(G1)で撃破し、昨年の同レースで連覇を達成したばかり。どこまで連勝記録を伸ばしていくか注目されていた。
勝てばサイレントウィットネスが05年に樹立した香港最多連勝記録「17」に並ぶ一戦。最内の1番からスタートした最強馬は、道中後方2番手からの競馬に。7頭立ての少頭数とはいえ、中団に構えた前走と異なる位置取りに違和感を覚えたファンもいたかもしれない。
そして、嫌な胸騒ぎは現実のものとなる。
インコースで脚を溜めて、馬なりのまま4コーナーで外に持ち出されたゴールデンシックスティだったが、いつものキレ味は見られず。残り100m過ぎで2番手に浮上するも、先に抜け出たワイククには約1馬身差つけられ、2年4ヶ月ぶりに土がついた。
「追い込み馬の宿命のような負け方ですね……。正直4コーナーの立ち回りが悠長だった気もしますが、ゴール前で脚色が鈍っているため、本調子ではなかった気がします。大一番の香港マイルの後で、調整含めて難しい部分があったかもしれませんね」(競馬誌ライター)
残念ながら連勝は止まってしまったが、一方で肩の荷が降りたともいえる。連勝中は負けが許されないため、出走レースを慎重に吟味する必要があった。
しかし記録がストップした今なら、条件関係なく使いたいレースに出走しやすいメリットも生じるだろう。
そんなゴールデンシックスティ陣営だけに、シャティン以外の競馬場に遠征することも視野に入ってくるのではないだろうか。管理するルイ師は『香港ジョッキークラブ』のインタビューで「海外で考えられるレースは安田記念(G1)だけです」と、日本遠征も視野に入れていることを明かしている。
「連勝が止まったのは残念ですが、レース選択の幅が広がることは間違いないでしょう。そうなれば、安田記念参戦は期待できますよ。状況は異なりますが、サイレントウィットネスも『17』で連勝がストップした直後に、安田記念へ出走しています。
香港マイルでは日本の一級マイラー相手に完勝しており、実力が通用することは証明済みです。追い込み脚質である点からも、東京競馬場は合っていると思います。マイル女王グランアレグリアが引退し、迎え撃つメンバーも手薄になりそうです」(同)
陣営は先述のインタビュー以外、安田記念についての言及はしていないが、レースはまだ4ヶ月も先のこと。いずれルイ師の口から「安田記念参戦」が明言されることもありそうだ。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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