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「辞められない」武豊に1ハロン「9.8秒」の衝撃! 活躍馬続出セールの目玉が出陣

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武豊騎手

 25日、今回が第1回となるノーザンファーム・ミックスセールが開催された。その目玉は今年のダービー馬ドウデュースの半弟にあたるダストアンドダイヤモンズの22(父リアルスティール)。兄も所有するキーファーズの松島正昭代表がセール最高額の8600万円(税抜)で落札し、「このチームでやりますよ」と宣言したように、セールに同伴した武豊騎手、友道康夫調教師の“チームドウデュース”が集結した。

『日刊スポーツ』の取材に「また辞められへんわ」と嬉しそうに答えた武豊騎手。今週末の天皇賞・秋(G1)は、2年連続で騎乗馬無しとなってしまったが、その裏開催で楽しみな2歳馬の手綱を任された。

 それは日曜阪神4Rの芝1200m戦でデビューを予定しているメタマックス(牡2歳、栗東・森秀行厩舎)だ。同馬のオーナーは株式会社サイバーエージェント代表取締役の藤田晋氏であり、先週のアイビーSで所有馬のチャンスザローゼスが快勝するなど、新進気鋭のオーナーとしては、順調な滑り出しを見せている。

 同氏は武豊騎手との対談をきっかけに馬主業をスタート。その縁もあってか武豊騎手に多くの騎乗を依頼しており、馬主デビューからの1年余りで2人のコンビは10勝、勝率32.3%という好成績を残している。中でもニュージーランドT(G2)を制したジャングロの活躍は鮮烈だったが、同馬と共通点を持つメタマックスにも大物の匂いが漂う。

 メタマックスの父はInto Mischief。2019年から北米種牡馬リーディングを3連覇中で、2020年と2021年には産駒がケンタッキーダービー(米G1)を続けて制覇。今、アメリカで最も勢いのある種牡馬だ。その産駒は日本でも走っており、重賞馬はまだいないが、19頭走って17頭が勝ち上がっているハイアベレージは特筆に値する。

 そんな血統面に加え、メタマックスに期待を膨らませてしまう理由がもう一つ存在する。同馬は米国で生まれ、今年のOBSマーチセールで森調教師に見初められて日本で走ることになったわけだが、そのセールは活躍馬の宝庫でもあるのだ。

 森調教師は2021年にもOBSマーチセールに参加し、馬主資格を申請したばかりの藤田氏に依頼を受けて4頭の若駒を落札した。その内3頭は既に中央で2勝以上しており、出世頭は前述の重賞馬ジャングロだった。

 藤田氏の所有馬以外にもアジアエクスプレス(主な勝ち鞍:朝日杯FS・G1)やミスターメロディ(主な勝ち鞍:高松宮記念・G1)といった出身馬が活躍しているOBSマーチセール。その特徴は公開調教が行われる点だ。森調教師は同セールで馬を見るポイントについて「肉体面で速い馬を探している。血統はあまり気にしません」と話している。

1ハロン脅威の「9.8秒」を記録!

 セール初日の最高額となる110万ドルで落札されたメタマックスも、大種牡馬Into Mischiefの子という血統以上に、その動きを評価されたのだろう。同馬の公開調教の様子は動画サイト『YouTube』で視聴することができる。確かに弾むような躍動感抜群の走りを披露しており、ラスト1ハロンは驚異の“9.8秒”を記録した。

 デビューに向けた今週の最終追い切りでも4ハロン51.4秒、ラスト1ハロン12.0秒の好時計をマークしたメタマックス。そのスピードはスプリント戦を走る上で武器になりそうだ。現2歳世代はセレクトセールで購入した馬の好走が目立っている藤田軍団。初年度の快進撃を牽引した海外セール組のエースには、武豊騎手を「まだ辞められない」と唸らせる走りを期待したい。

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