津村明秀「無念の降板」から約2年、カレンブーケドール妹と大舞台の雪辱へ
23日、東京4Rに行われた芝1400mの2歳新馬戦は、カレンブーケドールの妹フォーカルフラワー(牝2歳、美浦・国枝栄厩舎)が勝利。姉の主戦も務めた津村明秀騎手とのコンビで、見事に初陣を飾った。
17頭によって争われたレース。スタートを決めたフォーカルフラワーは先行集団の外目を追走。600m通過37秒1の超スローにも折り合いを乱すことなく、うまく脚を溜めながら最後の直線へ。
残り200mで先頭に立ち、外から2着馬が迫ってくると、そこからさらにもうひと伸び。最後まで交わさせることなくクビ差をつけてしのぎ切っている。
「着差はそれほどありませんでしたが、まだまだ手応えには余裕がありそうでした。人気こそフェーレンベルクに譲って2番人気でしたが、ここでは力が一枚上だったと思います。
父がディープインパクトからロードカナロアに替わったことで、カレンブーケドールよりも短い距離が主戦場になりそうですが、並ばれてからの勝負根性は姉譲りでしたね。上のクラスでもしぶとい走りを見せてくれるでしょう」(競馬誌ライター)
姉のカレンブーケドールも管理していた国枝師はレース後、「まだ心もとない所もありますが、マイルまでは大丈夫でしょう」と本馬についてコメント。
SNSやネット掲示板などにも「着差以上の完勝だった」「まだまだ奥がありそう」といった書き込みや、「今後も津村騎手で」「姉との忘れ物を獲りに行ってほしい」といった声が寄せられている。
ご存じの通り、津村騎手は姉のカレンブーケドールと2019年のスイートピーS(L)で初めてタッグを組むと、見事なエスコートで勝利へと導き、オークス(G1)への優先出走権を獲得した。
同じコンビで出走した本番は単勝94.1倍の人気薄だったものの、積極的な騎乗から最後の直線で抜け出し先頭へ。ゴール寸前でラヴズオンリーユーに交わされたものの、2着に激走してファンを沸かせている。
ただ、その後は秋華賞(G1)2着などの勝ち切れないレースが続くと、2020年のジャパンC(G1)4着を最後に降板が決定。カレンブーケドールの手綱がその後、津村騎手の元に戻ってくることはなかった。
カレンブーケドール妹と大舞台の雪辱へ
「G1は他のライバル馬たちも強力なので仕方ない部分もあったと思いますが、1番人気に推されていた19年の紫苑S(G3)や、その翌年のオールカマー(G2)を取りこぼしたのが痛かったかもしれません。
そのような背景もあるだけに、津村騎手には姉と果たせなかった重賞勝利や、ゆくゆくはG1制覇などを、妹のフォーカルフラワーとともに達成してほしいところです」(同)
そんな苦い経験もあった津村騎手はフォーカルフラワーについて「カレンブーケドールとはちょっとタイプが異なる。短いところがよさそう」と話していることから、今後は阪神JF(G1)や桜花賞(G1)などが目標となってくるだろう。
今年でキャリア19年目を迎え、中堅からベテランの域へと差し掛かっている津村騎手。G1勝ちは未だ無いだけに、本馬とのコンビで大舞台での雪辱にも期待したいところだ。
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