日本ダービー候補筆頭・サトノダイヤモンドも油断できない! ハイレベルな3歳牡馬にまた一頭「超大物」出現か!?
昨年、ルージュバックを送り込んだ大竹正博厩舎(美浦)から、今年も大物のクラッシック候補が現れた。
27日の中山9レースの水仙賞(3歳500万下 芝2200m)で2番人気のアルカサル(騎手・田辺裕信)が、1番人気で2着のヒプノティストに21/2馬身差をつける快勝。デビューから無傷の2連勝を飾り、一躍クラシック候補に躍り出た。
レースは前半の1000mが60.5秒と、この時期の3歳500万下としてはタイトなペース。ヒプノティストがこれまでの競馬と打って変わって果敢にハナを奪いに行き、勝ったアルカサルは無理せず中団より後方にポジションを取った。
圧巻だったのはペースが上がり始めた3コーナーを回ってからだ。外に持ち出されたアルカサルはグングン加速。大まくりから、あっという間に先頭集団に取り付くと距離のロスも関係なく抜群の手応えで最後の直線へ。
そこからは完全に手応えが違った。ヒプノティストもいい反応で後続を突き放すが、アルカサルが楽な手応えでそれに並びかけると、ようやく鞍上の田辺騎手がアクションを起こす。軽く追っただけで競り落とすと、後はワンサイド。最後は流して余裕のゴールだった。
敗れたヒプノティストにしても、前走では京成杯(G3)や共同通信杯(G3)で3着しているメートルダールと互角の競馬をしていただけに能力は確か。最後は3着以下を突き放しており完全に勝ちパターンだったが、「今回は相手が悪かった」としか言いようがない。
勝ちタイムの2:13.8は開幕週なので何とも言えない部分があるものの、昨年や過去にココを勝って青葉賞(G2)も連勝したヒラボクディープの時も共に2分17秒台だったことを考えれば、素晴らしく優秀な時計ではないだろうか。
上がりの3ハロンに関してもタイトなペースの中、出走メンバー中でアルカサルだけが唯一の34秒台となる34.7。一見、遅いようにも見えるが1月に同舞台のAJCC(G2)を勝ったディサイファの上がり3ハロンが34.9だったと言えば、その価値が伝わるはずだ。
無論、現時点で古馬トップクラスのディサイファと一概に比較することはできないが、3コーナーから外を回して記録した34.7の価値は決して低いものではないだろう。
アルカサルの半兄には、ダートのエルムS(G3)を勝ったジェベルムーサ(父アグネスタキオン)がいるが、こちらは芝の中距離馬になったようだ。ロックオブジブラルタル肌馬にステイゴールドの血を持つドリームジャーニーが掛けられた配合はパワー十分。急坂のある中山は得意なコースだろう。一叩きされて、さらに良くなりそうな気配もある。
気になるアルカサルの次走だが、来週にはもう弥生賞(G2)が控えており、皐月賞(G1)への出走は現実的にも厳しい。やはり、青葉賞から日本ダービー(G1)を目指すのが妥当なのではないか。
いずれにせよ、大竹厩舎から2年続けて大物が出現したことは事実。昨年のルージュバックは牝馬ながらにきさらぎ賞(G3)で牡馬を蹴散らし、桜花賞(G1)では単勝1.6倍に支持された大器。しかし、結局はオークス(G1)での2着を始め無冠に終わった。
2度目の正直ではないが、今の大竹厩舎には昨年の経験が生きているはず。今年の3歳牡馬クラシックは史上まれに見るハイレベルで、多士済々の好メンバーがそろっているといわれるが、そこにまた一頭高い素質を持った若駒が加わったと見ていい。
アルカサルの今日の走りを見る限り、サトノダイヤモンドやリオンディーズも、うかうかはしていられないはずだ。
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