パチンコ羽根物「時短の元祖」!? 大量出玉「爆撃機」が感覚を狂わせる【羽根物・名機列伝】

【今回の思い出羽根物『ボンバーキャット』】

  ギャンブル性を否定することは、パチンコそのものの冒涜でもある。

  耳の早い読者はすでに承知していると思うが、SANKYOのHPに羽根物の新機種が告知されている。『羽根モノ スカイレーサー』である。いまだ詳細は定かではないが、6段階の設定付きで「RUSH」が搭載されているようだ。純粋な羽根物というよりは、1種2種混合機に近いのであろうか。

 羽根物におけるデジパチ化で思い出されるのは「時短付き」。玉を減らすことなく規定の回数まで羽根がスムーズに開放し、次回大当りをアシストしてくれる仕組みである。また、役物のV入賞を必要としないデジタル抽選による「直撃大当り」が同時に組み込まれ、今でいえば混合機だが、よりいっそうデジパチに近い感覚となっていた。

 この「直撃大当り」が示すように、時短付き羽根物のほとんどは液晶が搭載されていたのであるが、『羽根モノ スカイレーサー』については、ネットやTwitterなどで出回っている役物の写真を見ると、伝統的な「ヒコーキ」に準拠した、心が踊るフォルムの新型羽根物である。

 以上から、『羽根モノ スカイレーサー』のキーワードを拾うと「連チャン性」と「ヒコーキタイプ」がその特徴として浮かび上がるが、オールドファンならこの2ワードから連想される羽根物の存在に気づくであろう。そう『ボンバーキャット』である。

『ボンバーキャット』は、『タヌ吉くん』や『スーパーファイター』など出玉力を追求していた京楽が放った大量獲得マシン。V入賞時のラウンド抽選で「V」がでると15Rプラスもう1回Vが出るまで時短状態となり、2チャッカー対応の電チューが優遇サポートを受けられるのである。

 つまり、一度「V」が出ると、それ以外のラウンド振り分け、1R(ロケット)、3R(さかな)、5R(ネコ)の大当りを繋ぎながら出玉を増加させることが可能となる。「V」の出現率は1/16であったので、V間のハマリは強力。ドーピング小当りRUSHとでもいおうか、羽根物ながら一撃万発もしょっちゅう起こる、まさに「爆撃機」なのである。

 この射幸性に惹かれ、誘蛾灯に群がる蛾のごとく、一時期取り憑かれたように本機を追いかけていたが、少ない資金に加え、たいした引きを持ち合わせていない私は撃沈につぐ撃沈で、すっかり焼き殺されてしまったのである。

 もともと羽根物に一発力や出玉感を求めていない私は、本機を境に大量出玉タイプの羽根物を忌避することとなったのはいうまでもないだろう。

(文=大森 町男)

 

 

 

関連記事

パチンコ・パチスロ最新記事

人気記事ランキング 11:30更新

パチンコ

パチマックス

総合

編集部イチオシ記事
SNS