パチンコ「まさかのタイアップ」……ド肝を抜かれた衝撃作!!【ドラム愛を語る・第4回】

 パチンコ初のタイアップ機が羽根物でしかも河内家菊水丸という、いまとなっては「なんでやねん」案件なのはいかにもパチンコらしいが、ドラム機においてもちょいちょい突っ込みたくなるような版権モノが存在する。

 その文脈でドラム機を見返すと、近年で一番衝撃的だったのはやはりなんといっても『CRパチンコおそ松さん~THE・DRUM~』であろう。当時、社会現象と呼べるほどの一大ムーブメントを巻き起こした超ビッグタイトルである「おそ松さん」をドラム機で展開するという企業戦略には度肝を抜かれたものである。

 絵があってこそのアニメ版権である。しかも、作風としてパロディーを多用した作品なので、ビジュアル面の重要性など私ごときが言うに及ばずであろう。一体どうやってタイアップマシンとして演出を成立させるのか? 疑問はふくらむばかりであったが、その答えは「声」であった。

 確かにこの「おそ松さん」は人気・実力ともに超一流の声優を6人揃えた豪華布陣でも話題となり、その爆発的人気の一因にもなったので、その意外性のある斬新な仕掛けもある程度説得力を持つことができたのである。

 そして、演出においても本編さながらにそれぞれのキャラが個性を発揮しながら掛け合いを演じ、展開するドラムアクションを盛り上げるのである。音でもなく、メロディーでもなく、「声」が演出の主体となす画期的なドラムマシンの誕生である。

 しかし、この『パチンコおそ松さん』で何が驚いたって、続編を作ったことである。もちろん、ドラムで。

 しかも『CRAおそ松さん~おうまは最高!』という、本家のアニメがJRAとタイアップした企画をさらにパチンコに転化させる、込み入ったタイアップ戦略となっているのである。

 前作では中心となった「声」による演出はだいぶ控えめになったものの、もうひとつの目玉であったドラムがそれぞれ独立して上下に大きく可動する「ドラムブレイク予告」の動きを巧みに利用し、競馬のレースに仕立てたリーチアクションは見応え十分である。

 また、ドラム機ならではの特徴でもある「ノーマルリーチで当る」や「リーチラインが増えるとチャンス」といったドラムファンに響く設定がほどこされている点にも好感が持てるのである。

 ほかにも、連チャン性を抑えた分、16R大当りの比率を高くし、甘デジながら出玉感のあるスペックを採用し、大当りの価値や喜びをしっかり味わえる本機のコンセプトにもシンパシーを感じるだろう。無骨な「ドラム機」をしっかり体現しているマシンなのだ。

 一見するとチャラそうにみえる「今どきのパチンコ機」然としているが、ドラム好きにこそ打ってほしい一台である。

(文=大森町男)

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