ぼくらはあの頃、アツかった(13) パチスロは、心に届く鎮痛剤。「鬼武者3」が教えてくれた悟りの境地


「鬼武者3」の当たりは非常に重い。711枚獲得タイプのストック機で、しかも連チャンモードにループ率が設定されていた。重くて当たり前である。筆者が苦手なシステムだった。だがそんなの気にしない。正気じゃなかったのである。コインサンドがゲップするほど千円札を飲ませつづけたところで、当たりが来た。レギュラーだった。また淡々と投資を続行する。

ふと気になって足を見た。ジーンズが灰まみれになっていた。エイトマンが直接床にタバコの灰を落とすものだから、エアコンの風に乗って、筆者の足にモリモリと降り掛かっていたのだ。これはチャランボなりヘッドバッドなりした方が良いのだろうか。と一瞬思ったが、筆者は特に気にせず──ただひたすらにその台を打ち続けた。

繰り返すが、正気じゃなかったのである。

やがて、筆者の台に二発目の当たりが来た。レギュラーだ。この時点ですでに二週間分くらいの給料が吹っ飛んでいた。足も灰まみれである。心も痛い。寂しい。辛い。一体なんの為に打ってるのか。何が面白くてこんな事をしているのか。目的が雲散した。それでも筆者は打った。連チャンするかもしれない。とぼんやり思っていた。そして、その願いは叶った。

256以内のボーナス。しかも大きい方である。青の絵柄を揃え、揺れるミシェルのオッパイを眺めながら、無心で打った。
希望も欲望もない。ただ「連チャンゾーンを抜けるまで打つだけの生き物」として淡々とその役割を果たしていたら、いつの間にやら5000枚くらい出てた。マクリ勝ちである。

勝った、と気づいた瞬間、目の前の霧が晴れたように、明るくなった。今までの閉塞感がウソのように──心が拓いた。
悟りの境地と言っていい。禅僧が永い瞑想の果てにたどり着くとされるそれに、筆者は鬼武者で至ったのだ。

彼女なんかすぐできるし、パチスロは面白いし。なんせ筆者はまだ若いし。なんだかんだで仕事も勉強も頑張ってるじゃないか。何を心配する必要があるのか。むしろ余裕である。大丈夫。筆者平気。筆者平気。ああまたミシェルの乳が揺れている。鬼武者大好き。

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