パチンコ店員に「強烈なダメ出し」!? 「怒り爆発」寸前の状況を救った「正義の味方」とは

 待つこと約5分、いつまで経ってもエラーが改善される気配はありません。爽やかな笑顔を見せていたスタッフの表情は、一変して不安を隠せず神妙な面持ちへと変わっていったのです。

 原因が分からない焦りからか、尋常じゃないほどに発汗しており、私に対して「すみません、少々お待ちください」と何度も言ってきたのでした。

 横目でホッパーの具合を伺っていた私は、エラー対処法が大体わかっておりました。ただ、客に「こうしろ」と指摘されたら、ホール店員としてのプライドに傷を付けてしまうと考えて口を出さなかったのです。

 しかし、さすがに限界でした。10分が過ぎてもエラーは直らず、他のスタッフが手助けに来る様子もなかったので、「まずホッパーのメダルを取り除いて台から取り外してください」と指示を出したのです。

 最初は「素人が何を言っているんだ」という感じで露骨に嫌な顔をしておりましたが、藁にもすがる思いだったのでしょう。「分かりました」と指示に従ってくれたのでした。

 次に私は「底の方に異物が詰まっていると思うので、ホッパーの止め具を解除して取り除いてください」と伝えました。最初は戸惑っていた彼も、具体的な指示内容を聞き信憑性を感じたのでしょうか。「やってみます!」と力強い返事をして、私のレクチャーを頼りに作業を始めたのでした。

 ホッパーの分解が終わり、底の部分があらわになりました。そこにはメダルの払出を邪魔するように小さなネジが混入していたのです。「ああ!これが原因でしたか!」と、スタッフは嬉しそうにしておりました。

「実はホッパーを分解した事がなくて困っていたんです」「いい勉強になりました。ありがとうございます」と言いながら、何度も頭を下げるスタッフ。私は「覚える事が多いと思いますが、頑張ってください」と労いの言葉をかけて遊技に戻ったのです。

 客の立場でスタッフに指示するのは、あらぬ誤解が生まれてしまう事もあるかもしれません。ただ、この時ばかりは正義の味方のような気分になれたエピソードでした。

 トラブル対応のスキルが上がり一皮むけ、どことなく自信に満ちた表情をしていた彼の姿を今でも思い出します。

(文=ミリオン銀次)

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