パチンコ「規則改正」「みなし機撤去」など時代の転換期に登場…「全ては幻だった」かの如く消えた傑作!!
規則改正、一発台の禁止、その先に待ち構える『みなし機撤去』等々、一つの時代が終焉へと向かい始めた頃、それは現れました。
一発台に限って言えば、私自身はそれまで全く縁のなかった『西陣』から、色々な意味で最後の大物と呼ぶに相応しいあの機種…。
『ジャスティ』です。
このジャスティ、従来の一発台とは違い命釘を通過しても油断は出来ない。命釘通過⇒飛び込み、という訳ではなく入賞口は命釘を通過した後の盤面ステージ上にあるため、そのままこぼれ落ちてしまう事も度々。
無事に飛び込めば、まずは振り分けのないクルーンが目を楽しませてくれます。本当に球の動きひとつを見るだけでも楽しい時代でした。
クルーンを通過するとそこで最初の振り分けがあり、球が役物外に弾かれてしまう事も。もちろん弾かれれば最初からやり直し、大当りのチャンスはその時点で消滅です。
そして弾かれずに回転体まで進むことが出来れば最終関門は1/3となり、赤い穴に入れば見事大当り。とにかくネカセの重要度が非常に高く、最初の振り分けはネカセ次第でかなり差が付きました。
それまでの一発台のほとんどは「飛び込み⇒振り分けで大当り」というパターンでしたが、ジャスティはドキドキできるポイントがいくつも増え瞬く間に大人気機種に。それまでの一発台にはなかったポップでかわいらしい盤面デザインともマッチしたのでしょうか。
ただしこのジャスティ、単に大人気だっただけでは終わらず、ゴトの効果が非常に高かったのです。最強クラスと言っても過言ではない程に。
クルーン通過後は押し引きで球が外に弾かれるのを防ぎ、回転体に進めば、力強く台を叩くと、穴を飛び越える事が可能なのでした。したがって回転体のハズレ穴の前に球が落ちた時には《ドンッ!》と喰らわせてやれば大当りは目前です。
30年以上も前の事ですから『その道のプロたち』だけが良い思いをし、攻略誌などに掲載され一般客に知れ渡る頃には既に何らかの対策がされている時代。とはいえインターネットもない時代ですから、情報の遅い店はとことん被害に遭う訳です。
私自身がゴト行為に手を染めた事は有りませんが、ジャスティのシマに行くと監視が厳しくあまり気持ちの良いものではなかったですね。それでもその面白さのあまり、時々ホールに行ってはジャスティを打ってはいたのですが。
結局はジャスティ登場直後に規則改正となり、一発台自体が禁止となったため、西陣としては最後の一発台となりました。
ジャスティを残していた店の多くも釘は激シブ、監視はキツキツという感じで徐々に撤去されて行き、それと同時に短かった昭和末期から平成初期にかけての一発台狂想曲も終局を迎える事に。
全ては幻だったかの如く消えてしまった一発台です。
【続く】
(文=電撃しらっち)
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